今後の研究の推進方策 |
(1) プロセス最適化:20vol%SiC造形体において,緻密で多量なAl4SiC4相を生成する加工条件を最適化する。また複合粉体の造形においてどれほど温度が増加するのか,定量解析(温度測定)にトライする。また基礎的にはAl4SiC4相の生成過程を明らかとする(高い温度勾配の発現の可能性も含めて)。具体的には,SiCの粉末粒度を調整し(5μm, 15μm, 30μm),微細粒化に伴うAl4SiC4相の生成の促進を図る。加えて,緻密化およびAl4SiC4相の生成を促進させるためL-PBF過程で1度のレーザ照射後に同一な層で再度レーザ照射する(同一層で2度レーザ照射するダブルスキャン方式(DS)を実施)L-PBFを実施する。このように,出発原料・プロセス条件を制御して,良質(緻密)で多量なSiC/Al4SiC4セラミックス相を含有する複合体を創製する。並行して,製造した複合体については,硬さ,圧縮特性,ヤング率の特性を評価し,複合化(多相化)・Al4SiC4相生成の影響を体系化・優位性を明らかとする。加えて,これらの機械的特性に及ぼす複合化(多相化)の影響・作用機構を学術的に明らかとする。 (2) AlSi10Mg/SiC複合粒子を起点とした温度分布・温度勾配・組織評価:AlSi10Mg/SiC複合粒子(0,5,10,15,20vol%)におけるレーザ吸収率の実験的測定を実施し,複合粒子間のレーザ吸収率の差異を起点としたL-PBF過程における温度分布・温度勾配を実験的および理論計算により評価する。また造形体においてSiC粒子界面に着眼したAl4SiC4相の形成過程を詳細な組織評価(SEM, EBSD, TEM)を介して解明する。
|