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2023 年度 実績報告書

紀伊半島の広域野外調査による地震発生帯の内部構造復元とその形成様式の解明

公募研究

研究領域Slow-to-Fast地震学
研究課題/領域番号 22H05314
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

志村 侑亮  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (20952071)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワード付加体 / 高圧変成岩類 / 地震発生帯 / Slow-to-Fast / 紀伊半島
研究実績の概要

2023年度は,紀伊半島に分布する浅部付加体,深部付加体,および高圧変成岩類を対象に,野外調査,変形構造解析,炭質物ラマン分光分析,および各種組成分析を行うことで,①付加体や高圧変成岩類に認められる断層のすべり形態やすべりをもたらす岩相を認識すること,②被熱温度の情報を入れることで,白亜紀当時の地震発生帯における断層のすべり形態の深度変化を検証すること,③広域地質図を作成することを目標とした.
研究の結果,紀伊半島の浅部付加体(被熱温度:200~220度)と深部付加体(被熱温度:270~300度)には,陸源砕屑岩,および陸源砕屑岩,遠洋性-半遠洋性堆積岩,海洋地殻が構造的に混在するメランジュを主とする付加体が存在しており,浅部付加体よりも深部付加体の方が相対的にメランジュの占める割合が多いことがわかった.また,上位の陸源砕屑岩と下位のメランジュを1つのパッケージとし,基底部の断層により繰り返すデュープレックス構造が認識でき,繰り返しの間隔が浅部付加体(数百m)と深部付加体(数十m~数km)では異なることが判明した.さらに断層の上盤側には,浅部付加体では中央海嶺や海山を起源とする海洋地殻が分布するのに対し,深部付加体では粘土鉱物を多く含む半遠洋性堆積岩が分布することがわかった.このことは,地震発生帯200~220度領域から270~300度領域にかけて,断層すべりをもたらす岩相が沈み込む海洋プレート層序の最下部から中間部へ移動すること,断層すべりの結果として生じた構造(すなわち地震発生帯の内部構造)が数百mから数kmへスケールアップすることを示唆している.また,広域地質図を作成したため,紀伊半島における地質図ベースの研究開発プラットフォームを構築できたといえる.今後Slow-to-Fast地震学分野の研究者と議論を行うことで,更なる研究推進へ貢献していく.

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Origin of serpentinite in the Cretaceous Shimanto accretionary complex2023

    • 著者名/発表者名
      Shimura, Y., Endo, S., and Asahara, Y.
    • 学会等名
      International Joint Workshop on Slow-to-Fast Earthquakes 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] イザナギ-太平洋海嶺の接近・沈み込みに伴う発達史:紀伊半島・四国に分布する四万十帯付加体中の礫岩2023

    • 著者名/発表者名
      志村侑亮・原 英俊・常盤 哲也・中村佳博・淺原良浩
    • 学会等名
      日本地質学会第130年学術大会
  • [学会発表] Evolution in response to progressive ridge approach and subsequent subduction: Insights from conglomerates in the Shimanto accretionary complex, SW Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Shimura, Y., Hara, H., and Tokiwa, T
    • 学会等名
      Cargese 2023 School on Subduction Zone Processes
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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