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2022 年度 実績報告書

エノラートを活用するフロー合成法の最適化と多様化合成研究への応用

公募研究

研究領域デジタル化による高度精密有機合成の新展開
研究課題/領域番号 22H05336
研究機関東北大学

研究代表者

土井 隆行  東北大学, 薬学研究科, 教授 (90212076)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワードフロー合成 / デジタル有機合成 / エノラート / 不斉合成
研究実績の概要

ヒドロキシカルボン酸部位に多様性を持たせるため、立体配置、炭素骨格、置換基の異なるリンカーを自在に合成できる合成法の開発を目指し研究を進めている。1)鍵反応として不斉アルドール反応を検討した。すなわち、Evansキラル補助基を有するアシルオキサゾリジノン誘導体からエノラートをZー選択的に生成し、直ちにアルデヒドと反応させて望むアルドール付加体を立体選択的に得る試みをフロー法で行った。基質と塩基の濃度と流速、反応温度、レジデンス時間を検討して、エノラートを調製した。そこに添加するアルデヒドの濃度とその流速、ならびにアルドール反応の温度とレジデンス時間を検討した。その結果、良好な収率で反応が進行することを明らかにしたが、反応条件を見出すために、かなりの実験が必要であった。多くの反応パラメーターを効率よく最適化することが必要であり、今後機械学習を利用して効率化を目指す。2)分子内クライゼン縮合を実施した。用いる塩基と溶媒を検討して、ラセミ化の起こらないテトラミン酸合成法をフロー法を用いて実現した。反応時間を秒単位で制御し、生成物を直ちに反応系外に放出することができるのが利点である。3)光触媒を用いた脱炭酸ー酸化を実現し、アミノビニルシステイン構造の簡便な新規合成法を見出した。光反応用のフローセルを共同研究で利用し、この反応がフロー法で実施できることを見出した。今後反応条件の最適化を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エノラートを活用した不斉アルドール反応、および分子内クライゼン縮合をフロー法で実現した。光触媒を用いた脱炭酸ーアルケン形成反応を開発し、光反応をフロー合成で行えることを見出した。

今後の研究の推進方策

キラル補助剤を用いた不斉アルドール反応あるいは不斉アルキル化について、フロー法を用い、熟練者でなくても反応を再現できるように反応設備・実験条件を精査する。エノラート形成における基質の濃度、流速、滞留時間、反応温度の最適化、および求電子試薬との反応における基質の濃度、流速、滞留時間、反応温度の最適化が必要であり、多くの反応パラメータを最適化する必要があるので、機械学習を活用する。ランダムに反応パラメーターを変え、できるだけ少ない実験回数で反応パラメータを最適化する検討を行い、これを多様な基質において応用できるようにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Photocatalyzed Oxidative Decarboxylation Forming Aminovinylcysteine Containing Peptides2022

    • 著者名/発表者名
      M. Kumashiro, K. Ohsawa, T. Doi
    • 雑誌名

      Catalysts

      巻: 12 ページ: 1615-1615

    • DOI

      10.3390/catal12121615

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] フォトレドックス反応を用いた新規AviMeCys構築法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      神代格也、大澤宏祐、土井隆行
    • 学会等名
      第121回有機合成シンポジウム
  • [学会発表] オキサゾリン・N-ニトロソヒドロキシルアミン・3-アシルテトラミン酸を含有するJBIR-141の全合成研究2022

    • 著者名/発表者名
      八十島浩太郎、吉田将人、河原哲平、橋本拓哉、新家一男、土井隆行
    • 学会等名
      第64回天然有機化合物討論会
  • [備考] 東北大学薬学部、薬学研究科反応制御化学分野論文リスト

    • URL

      http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~hannou/ja/publication.html

  • [備考] 東北大学薬学部、薬学研究科反応制御化学分野学会発表

    • URL

      http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~hannou/ja/presentation.html

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公開日: 2023-12-25  

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