研究領域 | デジタル化による高度精密有機合成の新展開 |
研究課題/領域番号 |
22H05341
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長友 優典 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (70634161)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | 全合成 / タキソール / マテリアルズインフォマティクス / 二酸化チタン / テルペノイド |
研究実績の概要 |
本研究では、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用した光脱炭酸型C(sp3)-C(sp3)/C(sp2)カップリング反応の実現に挑戦している。 可視光照射/TiO2条件下、カルボン酸からの脱炭酸を経て生じるアルコキシラジカルの二量化および分子間付加反応を、MIの実装により進化(深化)させ、さらにTiO2/Ni触媒協働型クロスカップリング反応の実現を目指している。 本年度は、可視光照射/白金担持TiO2条件下、カルボン酸からの脱炭酸を経て生じるアルコキシラジカルの分子間付加反応を活用して、抗がん剤タキソールの不斉全合成を総34工程で達成した。 本成果は著名な国際学術誌Angewandte Chemie International Editionにて発表した。 多数の酸素官能基で修飾された複雑な構造の中間体にも適用な本合成戦略は、タキソールをはじめとした多くの複雑天然物の合成へと応用可能であり、本成果によりラジカル反応を基盤とした複雑天然物の収束的合成戦略の有用性を示し、創薬における有機合成化学の進化を加速することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
可視光照射/白金担持TiO2条件下、カルボン酸からの脱炭酸を経て生じるアルコキシラジカルの分子間付加反応を活用して、抗がん剤タキソールの新たな合成経路を確立した。本合成経路は既存のAI逆合成解析ツールでは提示しえない合成経路であり、当初の目標通り、有機合成の世界(データベース:DB)に革新的な逆合成戦略を提示できた。 一方で、MI活用によるTiO2/Ni触媒協働型クロスカップリング反応の実現が未踏であるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、以下の二点A/Bを強力に推進する。 A:マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用した光脱炭酸型C(sp3)-C(sp3)/C(sp2)カップリング反応の実現; 可視光照射/TiO2条件下、カルボン酸からの脱炭酸を経て生じるアルコキシラジカルの二量化および分子間付加反応を、MIの実装により進化(深化)させる。さらにTiO2/Ni触媒協働型クロスカップリング反応の実現を目指す。 B:1工程の付加価値を最大化した高酸化度天然物の未踏逆合成経路の提示と実現; 高酸化度な複雑天然物を現存のAI逆合成解析ツールでは提示しえない合成経路で収束的かつ網羅的に不斉全合成し、革新的な逆合成戦略を(データベース:DB)に提示する。
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