公募研究
優れた物質透過性、高い比表面積を持つ固定化担体である高分子多孔質体モノリスを用いた固定化触媒と有機合成について、デジタル技術の適用を検討した。固定化触媒の調製モノマーにトリフェニルホスフィン(TPP)スチレン誘導体、ジビニルベンゼン(DVB)、スチレンを用い、孔生成の溶媒として、ドデカノールを用いた。孔生成に最も影響のある因子として、DVBとドデカノールの比率を説明変数として、固定化多孔質高分子を調製、Pdを配位させて固定化触媒とした。固定化触媒の性能について、鈴木宮浦カップリングを用いて、このTOFを目的変数として、評価を行った。触媒反応の結果をベイズ最適化によって解析し、よりよい組成を得るため調製を繰り返し、Pd―TPP固定化触媒を得た。Pd-TPP固定化触媒について固定化担体の主要構成物質であるポリスチレン自体の電子特性に着目して検討を行った。ポリスチレンの芳香族骨格に対して電子供与基または吸引基などの官能基を結合させて、ポリスチレンの有するπ電子特性を変化させた。得られた触媒を用いて、アリールクロライドに対する鈴木宮浦カップリングの長期耐久性について検討した。固定化触媒の長期耐久性はスチレン誘導体のハメット値に強く関係すること示された。Pdを固定化したTPP周りだけでなく、高分子担体自体の電子特性が固定化触媒活性に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。固定化触媒の物性と反応性について検討した。林ヨルゲンセン触媒を固定化した多孔質ポリスチレンを用いたマイケル付加のフロー反応について検討した。触媒について、DVBの比率を変化させて、物性を変化させた。その結果、固定化触媒の柔軟性によって、収率が大きく変化することを明らかにした。また、フロー反応の条件最適化、および反応に重要な要素の分析を行った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (50件) (うち国際学会 6件、 招待講演 11件) 備考 (2件)
Chemistry Letters
巻: 53(2) ページ: upad012
10.1093/chemle/upad012
ChemPlusChem
巻: 89 ページ: e202400039
10.1002/cplu.202400039
Chemistry A European Journal
巻: 29(55) ページ: e202301847
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巻: 18(19) ページ: e202300643
10.1002/asia.202300643
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http://www.chem-eng.kyushu-u.ac.jp/lab9/