研究領域 | デジタル化による高度精密有機合成の新展開 |
研究課題/領域番号 |
22H05386
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
山田 陽一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (50317723)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | フロー反応 / 高分子パラジウム触媒 / 鈴木―宮浦カップリング / 高分子充填材 |
研究実績の概要 |
A02班(合成手法の深化)③バッチ反応のフロー反応への変換法の開発として、高活性の固定化触媒のフロー反応への応用を実施し、高活性・高持続性固定化触媒フロー反応システムの開発検討を実施した。研究代表者はすでに高活性 かつ再利用性のある固定化高分子金属触媒・シリコンナノ構造体担持金属触媒の開発を成功し、多分子の迅速合成を実施してきた。本変革領域において、これらの科学技術を最大限に活用し、高活性固定化触媒が導入されたフローカートリッジを作成し、高効率有機変換反応システムを開発し、これによる高効率的な医薬品合成・医薬品中間体合成を志向したフロー触媒システムを提示すべく検討を行った。 触媒の安定性をさらに向上させる方法に着目し、耐久性に優れる高分子固定化パラジウム触媒系を開発した。すなわち、ポリ(4-ビニルピリジン)の主鎖に嵩高い4-tert-ブチルスチレンを導入し、新規な機能性共重合体を調製した。その後、パラジウム種と共重合体との分子もつれ法により、高分散型高分子固定化パラジウム触媒を調製した。本触媒は、導入された嵩高い置換基の立体効果によって反応中の金属種の凝集を抑制し、より安定性の高いパラジウム触媒として反応を促進した。さらに、連続フロー反応条件下で触媒の安定性をさらに向上させるため、架橋型の高分子充填材を開発し、触媒、高分子充填材、海砂を混合した複合材をカラム式反応器に充填した。 充填された反応器を用いて連続フロー式鈴木-宮浦反応を行うことで、液晶材料や医薬品化合物を含む様々なビフェニル化合物が効率的に長時間合成された。すなわち、各種臭化アリールとアリールボロン酸との反応をTHF-EtOH-水混合系で70 ℃でフロー反応を行ったところ、対応するカップリング生成物が最高定量的に得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に示したようにフロー型高分子パラジウム触媒系の開発とその鈴木―宮浦カップリングへの適用が順調な進捗を見せているため。
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今後の研究の推進方策 |
フロー型高分子パラジウム触媒反応系を完成させるとともに、提案しているシリコン担持型金属ナノ粒子触媒による還元型フロー反応系の開発を推進する。また機械学習を取り入れた触媒開発を併せて実施する。
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