研究領域 | 生物を陵駕する無細胞分子システムのボトムアップ構築学 |
研究課題/領域番号 |
22H05395
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 佑介 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60830560)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | DNAナノテクノロジー / 分子配置 / 疎水分子 / 人工分子システム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,分子分解能でのアドレス性を持つDNAナノテクノロジーとDNAの疎水化技術を駆使し,水中での扱いが困難な疎水分子を自在に配置・位置制御するための技術基盤を創出することである.本年度は,疎水分子を保持するための「場」となる微小疎水場の構築に注力して研究を遂行した.DNAの塩基配列を精密に設計し,DNA二重らせんが2つ重なった環状構造を構築した.DNAを重ねた設計としているのは,脂質膜の厚みと同等にすることを意図したためである.そして,構築した環状構造の内側に脂質膜を保持するため,炭素鎖を骨格に持つDNA分子(疎水化DNA)を利用して内側が疎水的な環状DNAナノ構造(疎水化環状DNA)を構築した.疎水化環状DNAへの脂質膜の再構成を試みたところ,緩衝液の塩条件,混合する界面活性剤,静置温度など多くのパラメータを適切に調整する必要があることが示された.トラインドエラーの結果,疎水化環状DNAに脂質膜が保持されていることを示唆する結果が得られた.そして,構築した環状構造を配置する土台としてのDNAオリガミ構造を設計・構築した.DNAオリガミの形状は,長方形型とし,2つの長辺付近にそれぞれ4つの結合部位を設けた.DNAオリガミ上に環状構造が結合している様子をイメージングにより取得することができた.一方で,結合の効率が低いという問題点も明らかとなった.この問題に対処するため,結合部位の空間的な位置関係を再度調整するとともに,緩衝液の塩条件を微調整することを検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実績の概要にも記述したように,おおむね想定通りの成果が順調に得られている.
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今後の研究の推進方策 |
すでに着手しているDNAオリガミ上へ脂質膜を保持した環状DNA構造の配置を実施する.本年度の実績の概要の箇所でも記述したように,結合部位の空間的な位置関係を調整する必要が生じている.この点に関しては,DNAオリガミ構造から伸長するDNA鎖の位置を変更することで対応する.DNAオリガミの設計段階から,位置関係の修正が必要な可能性を考慮し,他の位置からもDNA鎖の新調が可能な設計としていたことから,大幅な計画の変更はない.
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