公募研究
本年度得られた主な成果を以下に纏める。●高抵抗基板上へのCaGe2薄膜合成:分子線エピタキシー装置を用い、水素吸着ゲルマネン(GeH)の前駆体であるCaGe2薄膜を高抵抗Si(111)基板上への直接合成に取り組んだ。具体的には、(1)固相拡散法(Si基板上にでGe層をエピタキシャル成長後、Ca層を室温堆積させた後に熱処理を行う方法)および(2)同時蒸着法(Si基板上にCaとGeを同時に蒸着する方法)によりCaGe2薄膜を作製し、結晶サイズ・結晶性等の比較を行った。固相拡散法では結晶粒の直径が50 nmΦ程度と非常に小さかったが、同時蒸着法では300 nmΦ程度と大きく結晶粒表面に平坦な部分がみられた。同時蒸着法で形成した薄膜から得られたX線回折ピークの方が鋭い(すなわち、高品位な薄膜が得られる)ことも判明した。●トポケミカル反応を用いたGeH薄膜合成:同時蒸着法で形成したCaGe2薄膜を-40 °Cの塩酸に浸漬することで、GeH薄膜の高抵抗基板上への直接合成に成功した。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通り、高抵抗基板上への水素修飾ゲルマネン薄膜合成に成功するなど順調に進んでいる。
領域内共同研究を進め、得られたGeH薄膜の局所構造や熱安定性の解析、熱電物性に関する議論を行う。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Materials Science in Semiconductor Processing
巻: 161 ページ: 107462~107462
10.1016/j.mssp.2023.107462