研究領域 | 神経回路センサスに基づく適応機能の構築と遷移バイオメカニズム |
研究課題/領域番号 |
22H05495
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
濱口 航介 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50415270)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | 局所回路 / 逆行性ウィルス / FISH / 拡大透明化 / 空間トランスクリプトミクス |
研究実績の概要 |
神経細胞は多様なサブタイプを持ち、それぞれが独自の神経回路接続を持つ。RNA-seqや 蛍光 in-situ hybridization (FISH) は細胞の持つ遺伝子発現パターンを調べる事ができる強力な手法であるが、接続情報を取り込む事ができない。本研究で開発する逆行性バーコーディングは、バーコード付き狂犬病ウィルスを用いて細胞同士の接続情報をRNA-seq や FISHに付け加える重要な技術である。本研では、逆行性バーコーディングと改良されたFISHを用いて、短期記憶に関わる前頭皮質の局所回路構造を解明する事を目指す。 初年度では、技術的課題のいくつかを解決した。1)まず in-vivoで観察された2光子観察断面を、ex-vivo で同定するためには、ある程度の厚みのある切片を作成する必要がある。しかし厚みのある切片では、蛍光in-situ hybridization(FISH)によるRNAの検出が難しい。そこで拡大透明化の方法を用いる事で、300μm厚の切片から複数回のFISHを行う方法を確立した。2)逆行性感染を起こす狂犬病ウィルスにバーコード配列をつけても、脳内で増殖し逆行性に前シナプス細胞に感染できるか、実際にウィルスを作成し、感染および逆行性の伝播を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解決すべき技術的課題が、初年度でおおむね解決できた。そのため、次年度での大規模な実験に向けての準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
理論的な課題としては、複数回のFISHの画像の位置合わせ。実験的な課題としては、バーコード配列の組み合わせ増大の2点が今後の課題である。これを次年度で確実に解決し、局所回路の解明に進みたい。
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