公募研究
本研究は『超硫黄分子を効率的に合成する新規手法の確立』を目的とする。硫黄原子が直鎖状に連結した超硫黄分子が生体内に豊富に存在し、それらがエネルギー産生に深く関与することが2014年に赤池らによって報告されて以来、超硫黄分子の機能解明研究は生命の仕組みを新しい観点から理解するアプローチとして大きな注目を集めている。しかしこれまでに超硫黄分子の効率的な合成法は確立されていなかった。研究代表者は超硫黄分子の新規合成法の確立を目指しモデルジスルフィド化合物を用いた硫黄原子導入反応によるトリスルフィド合成を検討しこれまでに、中程度の収率および純度で所望のトリスルフィドを得る条件を見出している。2023年度は本反応の収率と純度の更なる向上を目指し種々条件検討を行った結果、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いることで収率、および純度を大幅に向上させることに成功した。本反応は様々なアルキルおよびアリールチオールに由来する基質に適用できるのみではなく、本法を応用することで超硫黄分子の1種であるテトラスルフィドの高純度合成にも合わせて達成した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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