細胞内のオルガネラはそれぞれ独立して機能すると考えられていたが、近年、2つないしは3つのオルガネラ同士がコンタクトし、さまざまな物質輸送を介して互いにコミュニケーションをとることが明らかになってきた。オルガネラコンタクトと超硫黄の関係を解析するために、可逆的かつ生細胞でオルガネラコンタクトを解析できるツール開発に取り組んだ。結果、NanoBiTシステムを応用したミトコンドリア-小胞体コンタクト(MAM)解析ツール、Mitochondria-Endoplasmic Reticulum contacts reporter using NanoBiT (MERBiT)の開発に成功した。MERBiTを用い、超硫黄合成酵素を発現抑制した際のMAM形成量を計測したところ、MAM形成量がコントロールと比較し増加する結果を得た。本結果が起点となり、ミトコンドリア内で生じた活性酸素種(ROS)が超硫黄によって強く抑制されていること、また、ミトコンドリア由来のROSがMAMを増加させるという、これまで未知だった細胞内のストレス応答機構が見つかった。
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