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2022 年度 実績報告書

非ドメイン型バイオポリマーを介した菌類ウイルス・宿主間の特殊な共生関係

公募研究

研究領域非ドメイン型バイオポリマーの生物学:生物の柔軟な機能獲得戦略
研究課題/領域番号 22H05593
研究機関福井大学

研究代表者

本田 信治  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90632167)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワードアカパンカビ / ウイルス
研究実績の概要

菌類のカプシド無しウイルスはゲノムの区画化も細胞外への出芽もできず、宿主の免疫機構を常活性化させながら、特定の宿主内で持続感染する。ウイルスゲノム情報、各々の菌類ウイルスが有する機能未知の「非ドメイン型バイオポリマー」が特殊な生活環を支えていることが推測されるが、その研究は未開拓なままである。本研究では、構築したモデル生物アカパンカビのウイルス感染系(Honda et al, Nature Comm, 2020)を用いて菌類ウイルスの非ドメイン型バイオポリマーがどのように独自の生活環に貢献しているのかを分子レベルで謎解くことを目的としている。
まず、RNA-seqのライブラリー作製時の違い、Oligo-dTの逆転写では検出されず、ランダムプライマーを用いた逆転写では検出されたNcFV1のLncRNAをストランド特異的なノーザン解析により検出した。また、NcFV1がコードするP2とGFPの融合タンパク質を過剰発現する遺伝子組換え株を作製し、in vivo解析を行ったところ、NcFV1感染時のみに顆粒構造を形成し、この顆粒構造はカプシド有りウイルスNcPV1感染時には形成されないことを確認した。これらの結果から、カプシド無しウイルスNcFV1は、ドメイン型バイオポリマーであるRNA複製酵素以外に、2種類の非ドメイン型バイオポリマーを有していることが強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画していた、①人為的に遺伝子操作したRNAウイルスの導入法、②FISH法の両者ともにアカパンカビを含めた糸状菌で極めて困難であるため、この実験系の構築により時間がかかることが判明したため。

今後の研究の推進方策

上記の実験系構築の推進とともに、新たに同定したカプシド無しウイルスNcFV1感染時に誘導される宿主側の非ドメイン型バイオポリマーの機能解析を行い、菌類ウイルスとの関係解明を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] RNA Editing of Genomic Neighbors Controls Antiviral Response in Fungi2023

    • 著者名/発表者名
      Shinji Honda, Ayumi Yokoyama, and Nobuhiro Suzuki
    • 雑誌名

      Sneak Peek

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.2139/ssrn.4425943

  • [学会発表] モデル生物アカパンカビを用いた植物病原糸状菌とウイルスの相互作用の包括的解析2023

    • 著者名/発表者名
      本田 信治
    • 学会等名
      令和4年度 岡山大学資源植物科学研究所 拠点共同研究成果発表会
  • [学会発表] 非ドメイン型バイオポリマーを介した菌類ウイルス・宿主間の特殊な共生関係2022

    • 著者名/発表者名
      本田 信治
    • 学会等名
      学術変革領域研究(A) 非ドメイン型バイオポリマーの生物学・第2回領域会議

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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