公募研究
単一の精子幹細胞をin vivo, in vitro双方で系譜追跡するための実験系を構築した。in vivoでの長期系譜追跡マーカーはR26R-nLacZを使用することで、肉眼で容易に精子幹細胞コロニーの局在、サイズを評価できるものを構築できた。一方in vitro系譜追跡にはR26R-Lyn-Venusを使用し、器官培養精巣での系譜追跡を可能にした。これにさらに、精子幹細胞レポーターRet-mCherry、GFRA1-EGFP、分化型制限細胞レポーターKIT-tdTomatoを組み合わせることで、系譜に含まれる各種分化段階の生殖細胞の占める割合も評価することを可能にした。精巣器官培養技術に関しては、従来法であるアガロースゲル上PDMSキャップ培養およびPDMSマイクロ流路デバイスの双方で、70日にわたる精子形成誘導培養を成功させ、単一細胞レベルでの観察も可能であることを確認した。精子幹細胞競合遺伝子として着目したTrp53については、その機能解析を進めている。一方、Cdkn1bについては、floxマウスの作製に遅れが生じ、繰越年度においてマウスの作出と解析を実施することとした。その他、幹細胞の動態制御に関与すると考えられる分子についても併せて解析を行うべく、floxマウスの導入と交配作業を推進した。
3: やや遅れている
Cdkn1b floxマウスの作出に遅延が出たため。
Cdkn1b floxマウスの作出を再度行い、予定していた解析を行う。
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