研究領域 | サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション |
研究課題/領域番号 |
22H05648
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 健太郎 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80374627)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | バイオロギング |
研究実績の概要 |
本研究では、大規模な回遊を行うアカウミガメを研究対象にして、海を回遊する時の多次元感覚による階層的なナビゲーション機構を理解する事を目的とする。今年度は岩手県三陸沿岸域で混獲されたアカウミガメ3個体に地磁気加速度計、ビデオロガー、ECGロガー、GPSロガーを取り付けて、海に放流した。3日後に記録計を回収することで、潜水行動、心拍数、採餌行動の記録を得た。得られた記録を解析することで、回遊中の詳細な遊泳行動に関する知見を得ることが出来た。加えて、ビデオロガーやECGロガーを用いた事で、ウミガメ周囲の環境情報や個体自身の生理情報も得ることが出来た。今後、これらの複数のパラメーター間の因果関係と相互作用について、解析を進める。 さらに、本領域サイバー班前川卓也准教授との共同研究として、海洋動物用AI搭載ビデオロガーのカイログボットをアカウミガメに搭載する研究を開始した。三陸沿岸に生息するアカウミガメは散発的に遭遇するクラゲを採餌していると考えられているが、採餌頻度が低いために採餌する瞬間の映像を取得する事が難しく、ウミガメの採餌に関わるナビゲーションの解明が進んでこなかった。そこで、8月に岩手県の調査地にて、アカウミガメへの装置装着試験を実施したほか、11月には高知県室戸市にある「むろと廃校水族館」にて水槽内を遊泳するアカウミガメにカイログボットを装着して動作試験を実施した。一連の実験で成果を得ることが出来たことから、海を遊泳する個体での実験を実現するための準備が整った。 また、次年度の実験実施に向け、磁場感知によるナビゲーション機構の解明に向けた実験の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の想定と同程度の進捗があったため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しているので、引き続き、当初の方針通り、研究を進める。
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