研究領域 | サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション |
研究課題/領域番号 |
22H05652
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木村 里子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (40723804)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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キーワード | イルカ / 鯨類 / 水圏大型動物 / 船舶影響 / 環境影響評価 |
研究実績の概要 |
本研究では、移動行動について未解明な部分が多い水圏生物のうち、小型鯨類に着眼し、特に絶滅が危惧される沿岸性の強い種として日本近海のスナメリを対象とする。令和4年度(1/2年目)は、愛知県の日間賀島を拠点とし、三河湾の上空からドローン調査を実施し、非侵襲的にスナメリの位置情報と動画を得た。また、音響調査とドローン調査を併用し、船舶影響の多角的な評価に試みた。現在、撮影方法の改良や、解析方法の検討をおこなっている。得られたスナメリの動画データがまだあまり多くなく、船とのインタラクションも未取得のため、今年度はアナログ的手法(動画確認)により、発見場所、頭数、行動について確認をした。また、個体長推定手法について検討をおこなっている。 今後、三河湾および瀬戸内海においてさらにデータを取得する。動画解析技術、機械学習技術等を適用して水面に浮上する水圏大型生物のドローン研究手法を確立する。これによりスナメリの個体状態、群れサイズ、行動などが様々に異なる状況、つまり階層的生物ナビ学における「階層」が異なる場合の移動行動を調べ、行動圏などを定量化する。沿岸における人為的撹乱として船舶航行を「介入」と捉え、階層ごとに介入の影響を評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ドローン調査を実施するにあたり、ドローン購入後、機体を登録し、目視外飛行となるためライセンスを取得したり、許認可を得たりするのに時間を要した。海上でドローン調査を飛行させる天候要件が厳しく、台風や低気圧の関係で調査が中止になったり、調査へ行ったもののデータを取得できなかったり、飛行したものの動物を発見できなかったりとデータ取得が難航した。
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今後の研究の推進方策 |
得たデータをもとに、体長推定や移動追跡のための解析手法をさらに検討し、解析要件を満たすドローン調査手法を確立する。三河湾及び瀬戸内海などでフィールド調査を実施してより多くのデータを取得する。動物が撮影できる水深を把握するため、対象生物の色に塗った板を用意し、撮影可能水深を明らかにする。
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