研究実績の概要 |
本研究ではまず、新たなリクルート因子候補として同定済みの2つの遺伝子産物が実際にリクルートに関与していることを、リバースジェネティクス的手法を用 いて明らかにする。これらの遺伝子は原虫の増殖に必須であることが示唆されているので、CHRISPR/CAS9系(mBio (2014), PLoS ONE (2014))を用いたノック ア ウト原虫の作製が不可能である可能性が高い。そこでこれらの遺伝子がノックアウトできなかった場合はテトラサイクリンを用いた発現制御系か、あるいは Destabilizing Domain(dd)の付与により Shield-1の有無で発現をコントロールできるコンディショナルノックアウトの系(Nat. Methods (2007))を用いて機能を 解析する。現在ノックアウト株の確立に必要なコンストラクションを作成し、原虫に導入後、ノックアウト原虫の選択を行っている最中である。一方、最近申請者らが分離した臨床分離株は、先天性トキソプラズマ症患者から分離されたにもかかわらず、マウスに対して病原性を示さなかった。本分離株に おいてリクルート因子のひとつであるROP39のSNPsを調べたところ、リファレンス株であるME49との差違は認められなかった。
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