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2023 年度 実績報告書

BVOC放出を介した動的な植物-葉圏微生物相互作用の解明

公募研究

研究領域デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学
研究課題/領域番号 22H05715
研究機関東京大学

研究代表者

甲山 哲生  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50793379)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
キーワード葉圏微生物 / 生物起源揮発性有機化合物 / 種内変異 / 植物-微生物相互作用 / スギ
研究実績の概要

前年度から改良を加えたガスサンプリング法を用いて、2023年6月に東北大学川渡フィールドセンター(宮城県)の共通圃場で3集団由来のスギ栽培個体を対象としてBVOCsを採取し、GC/MS/FIDにより分析した。その結果、モノテルペン12種、セスキテルペン6種、ジテルペン2種が検出され、主要な化合物はα-pinene、sabinene、β-farneseneであった。屋久島由来のスギが他の2産地よりもBVOCsの総放出速度が小さい傾向を示し、これは前年度に筑波大学実験林(茨城県)の共通圃場での測定結果と同様であった。一方、BVOCsの組成には共通圃場間で違いが見られた。以上から、スギが放出するBVOCsには、遺伝的要因だけでなく環境要因も影響していることが示唆された。

また、スギのBVOCs放出の種内変異に影響する要因として、葉圏微生物群集の調査を行った。2023年6月に筑波および川渡の共通圃場で、14集団由来のスギ栽培個体を対象として、針葉を採取した。葉表面の微生物を超音波処理によって分離・回収した後、DNAを抽出した。16S rRNA領域(細菌類)およびITS2領域(真菌類)のDNA断片をPCR増幅し、Illumina Miseqにより塩基配列を決定した。その結果、葉圏微生物群集組成には明瞭な圃場間差が見られ、集団間差も検出された。さらに、同一栽培個体が放出するBVOCsと葉圏微生物群集組成の相関関係を解析した結果、スギが放出する特定のBVOCsと葉圏微生物群集との間に関係があることが示唆された。

富山県立山において標高傾度に沿ってスギ針葉を採取したほか、筑波共通圃場では、月1回の頻度でサンプリングを継続している。これらのサンプルについても葉圏微生物群集の分析を進めており、その結果により、季節や温度の変化が葉圏微生物群集組成に及ぼす影響が明らかになることが期待される。

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Geographical variations in BVOC emissions from Japanese cedar: An approach based on common field experiments2024

    • 著者名/発表者名
      Yuki OTA, Takuya SAITO, Tetsuo I KOHYAMA, Yoshihisa SUYAMA, Yoshihiko TSUMURA, Tsutom HIURA
    • 学会等名
      第71回日本生態学会大会
  • [学会発表] 共通圃場を用いたスギ葉圏微生物群集の集団間比較2024

    • 著者名/発表者名
      石崎理慶, 甲山哲生, 太田有紀, 斉藤拓也, 陶山佳久, 津村義彦, 日浦勉
    • 学会等名
      第71回日本生態学会大会
  • [学会発表] Development of a measurement method for BVOCs emitted by Japanese cedar2023

    • 著者名/発表者名
      太田 有紀、斉藤 拓也、日浦 勉、甲山 哲生、津村 義彦
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2023 (JpGU2023)

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公開日: 2024-12-25  

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