研究領域 | 実験社会科学 |
研究課題/領域番号 |
23011002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉浦 元亮 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (60396546)
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研究分担者 |
澁谷 覚 東北大学, 経済学研究科, 教授 (00333493)
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キーワード | 自己認知 / 価値評価 / 行動選択 / 社会認知 / 機能的MRI |
研究概要 |
自己の社会的価値評価は社会行動選択に重大な影響を及ぼす。本研究では、パートナー選択ゲーム遂行中の脳活動を測定し、自己の社会的価値評価の脳内表象とこれに基づいた行動選択の神経基盤を明らかにする。本研究の成果は、自己の社会的価値評価に依存した適応行動を説明する人間モデルに、神経科学的根拠を提供する。 平成23年度は機能的MRIを用いた脳活動測定実験の課題・刺激の選択・最適化のために、様々な予備実験を行った。当初は3対3の恋愛パートナー選択ゲームを予定していたが、プロトタイプ課題を用いた予備実験の結果から、ダンスパーティーを想定した2対2のパートナー選択という設定がより適切に研究目的を達成できることが明らかとなり、このパートナー選択ゲームを実験課題として採用することにした。この課題では男性2名と女性2名が対面した場面で、まず男性(被験者)が印象をもとに好みの女性1名をダンスに誘い女性は必ずその誘いを受諾する。2名の男性が同じ女性を誘った場合、女性はより魅力的な男性の誘いを受ける。男子大学生被験者はコンピューター上で30回のゲームに参加する。毎回ライバルの男性顔写真と選択対象の2名の女性の顔写真が提示され、なるべく毎回好みの女性とダンスが出来るように努力する。このとき常に自己の価値評価をライバルと比較して、順位の一致する女性を指名するのが"適応的"となる。この課題に用いるための視覚刺激の候補となる女性400名、男性200名の上半身の写真をネット・雑誌等から収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に予定していた機能的MRIを用いた脳活動測定実験の課題・刺激の選択・最適化がほぼ予定通り完了した。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、機能的MRIを用いた脳活動測定実験を行う。課題として用いるダンスパーティーを想定したパートナー選択ゲームで、適切な自己価値評価と適応的行動選択が行われるように刺激の組み合わせを最適化する予備実験を行う。その後、20名程度の男子大学生被験者を対象に機能的MRIを用いた脳活動測定実験を行う。脳活動データを解析し、成果について学会発表・論文執筆を行う。
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