研究領域 | 実験社会科学 |
研究課題/領域番号 |
23011004
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
守 一雄 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30157854)
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研究分担者 |
藤澤 隆史 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90434894)
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キーワード | Asch同調実験 / fMORIテクニック / fNIRS / 中学生 / 社会的同調 / 集団圧力 / 知覚判断課題 / 学級内地位 |
研究概要 |
成績と同調の関係に関する実験研究としては、中学生を被験者にしたAsch同調実験を実施した。長野市内の公立中学校の協力を得て、同中学校1年生を学業成績ごとに同性の4人ずつのグループにし、男女各18グループでデータを採取した。fMORIテクニックを用いて被験者に気づかれないよう2種類の異なる課題画像を提示することで、サクラを用いることなく、3人の判断と1人の判断とが食い違う事態を作り出した。具体的には、画面左側に基準となる線分を提示し、画面右側に3本の選択肢線分を提示して、その中から基準線分と同じ長さのものを選択させるというAsch実験と同じ課題が使われた。ただし、偏光トリックにより、4人のうち1人だけには基準線分の長さが違って見えるようになっていた。実験に用いる課題および実験実施の手順は、Mori&Arai(2010)を踏襲したが、実験機器の都合から、課題画像を提示するスクリーンの大きさを半分に縮小した。また、Mori&Arai(2010)では課題画像を見ながら被験者が回答する手続きを取ったが、今回の実験では、刺激画像を提示後に回答を求める形式に変更した。この実験により、成績の低い生徒は周囲の生徒の成績にかかわらず、同調しやすいことが明らかとなった。容姿についての実験は研究協力者のアルパ青山の小山礼子と実験計画の立案をするに留まった。平成24年度の実施を予定している。また、経済力に関しては、マレーシアに出張し、Nottingham UniversityおよびHELP Universityでの実験実施を模索した。その結果、HELP Universityの研究者との共同研究が可能となり、実験を計画中である。平成24年度の実施を目指す。それぞれについての生理学的分析に関しては、研究分担者の藤澤が準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの予定していた実験課題のうち、1つを完了した。また、残る2つについても、順調に準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進展しているため、今後もこのペースでの研究を続行する。 研究計画の変更は特に考えておらず、研究を遂行する上での問題点も今のところ生じていない。
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