研究領域 | 植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系 |
研究課題/領域番号 |
23012016
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
犬飼 義明 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (20377790)
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研究分担者 |
兒嶋 孝明 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40509080)
永澤 信洋 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (90599268)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 植物 / イネ / メリステム / 発生・分化 / 根 / オーキシン / 突然変異体 / 遺伝子 |
研究概要 |
(1)T3-7-1変異体の解析 新たに選抜したT3-7-1変異体は根長が増加する特徴を示す。本変異体の原因遺伝子の発現性をGFPレポーター遺伝子により解析した結果、再分化個体の不定根や側根の分裂組織内の静止中心(QC)を中心とした領域での発現が確認された。 根端分裂組織には"open"タイプと"closed"タイプが存在し、イネは後者に属する。この"closed"タイプは根冠と根端分裂組織の境界がはっきりしていることが特徴であるが、本変異体ではその境界面が曖昧になり、"open"タイプに似た構造を示した。本原因遺伝子の発現はオーキシンにより誘導されたため、今後は本遺伝子の発現制御機構を精査するとともに、根端における分裂細胞の分布の経時的変化等を詳細に解析し、長根化へとつながる分子機構の解明を目指したい。 (2)T11-22-2変異体の解析 T11-22-2変異体は根端メリステムサイズが肥大化する特徴を示す。本変異体の原因遺伝子は、miRNAの生成を担うことが示唆された。今後は標的遺伝子を同定するとともに、本変異体で見られる根端メリステムサイズの肥大化との関連性を解析する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
最終年度
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今後の研究の推進方策 |
研究結果を総合的にとらえると、まず根端メリステムへ輸送されたオーキシンがその細胞群に受容され、microRNAが生成されることにより根端メリステムの制御が行われるものと推定される。今後はこれらの制御因子に注目し、根端メリステムの形成・維持機構の解明を目指したい。
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