研究領域 | 植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系 |
研究課題/領域番号 |
23012023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青山 卓史 京都大学, 化学研究所, 教授 (80202498)
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キーワード | 植物 / 組織・細胞 / 生体分子 / 形態形成 / リン脂質 |
研究概要 |
人工Znフィンガー転写抑制因子を設計し、PLDζ1遺伝子に特異的な発現抑制実験を行なった。根毛伸長時に高い活性を持つEXPA7遺伝子プロモーターを利用した発現抑制実験では根毛伸長極性の喪失が観察されたが、根毛発生自体への影響は見られなかった。この結果は根毛発生の初期段階においてEXPA7遺伝子プロモーターの活性が弱いことと符合するものと考えられた、一方、様々な表皮細胞の分化過程において活性をもつGL2遺伝子プロモーターを用いた発現抑制実験では、種子の表皮細胞やトライコームなど、GL2遺伝子機能に依存する細胞分化過程での異常が観察された。特にトライコーム形成は初期段階から完全に抑制されたことから、PLDζ1遺伝子機能が細胞形態形成だけではなく細胞分化パターン形成にも関与することが示唆された。 PIP5KとROPの相互作用が根毛形成における自律的極性維持機構に関与するという仮説を検証するために、EXPA7遺伝子プロモーターを利用しPIP5K3-RFPおよびYFP-ROP2の両融合タンパク質を同時に伸長中の根毛細胞で発現させ、それらの動態を経時的に観察できる形質転換植物体を作成した。その結果、PIP5K3-RFPは根毛形成過程を通じてYFP-ROP2に比べて根毛先端のより限定された領域に局在することが示された。また、改変ROP2を用いたin vitroにおけるPIP5K3どの結合実験において、動物のRho-type GTPaseの一部で保存されているC-末端の塩基性アミノ酸領域がPIP5K3との結合に必要であるという結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析に必要な形質転換植物などが整いつつある。それらを用いた予備的な解析結果も得られており、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに作成された形質転換植物および入手した変異体を用いた解析を行い、PLDζ1およびPIP5Kの植物細胞形態形成の制御への関わりを明らかにする。
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