公募研究
1.根端メリステムにおけるmiRNAの細胞非自律性センサーコンストラクトを持つ植物を用い、様々なマイクロRNA分子種について根端メリステム領域で細胞非自律的な機能をもつかどうか調べた。その結果、miR166,miR171,miR319,miR391など、対象としたすべてのmiRNAが細胞非自律的に機能し得ることが明らかとなった。2.胚発生におけるMIR165/166遺伝子の発現パターンと細胞非自律的機能シロイヌナズナのゲノムには、miR165/166を産生する遺伝子が9つ存在する。これらの遺伝子の胚発生における発現パターンを解析した結果、5つが胚柄と胚の下部-周縁部で共通した発現パターンを示すことが分かった。標的遺伝子であるPHBは、胚の頂端-中心領域で特異的に発現していたのに対し、miR165/166に抑制されない変異型PHBは胚全体で発現していた。これらのことから胚においてもPHBの発現領域がmiRNA165/166による転写後抑制で規定されていることが明らかとなった。また、胚においてもmiR165/166が細胞非自律的に機能していることが明らかとなった。3.miR160/ARF制御系を介した根冠細胞の分化制御根冠細胞の初期分化には、miR160によるARF10/16の転写後抑制が重要な機能を果たしている。miR160を産生する3遺伝子(MIR160A-C)の根端メリステムにおける発現を調べたところ、すべてが内皮より内側で発現していた。これに対し、miR160の活性領域は、内皮の外側にまで拡大していた。一方、ARF10/16は根冠細胞と表皮細胞で強く発現していた。この結果から、中心柱や内皮に由来するmiR160がARF10/16の発現を細胞非自律的に制御することで、根冠の分化を制御していることが示唆された。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Plant J.
巻: 73 ページ: 357-367
doi:10.1111/tpj.049
Plant Cell Physiol.
巻: 54 ページ: 375-384
doi:10.1093/pcp/pcs188
巻: (in press)
化学と生物
巻: 50 ページ: 314-316
http://bsw3.naist.jp/nakajima/