研究概要 |
シロイヌナズナの根毛形成を制御するCAPRICE(CPC)遺伝子と、4つのファミリー遺伝子(TRY,ETC1,ETC2,CPL3)の機能について解析を進めている。TRYとETC2に特異的なC末端配列がタイパク質分解に関与しているのではないかとの予想の下、以下の実験を実施した。 本年度の成果 1、TRY及びETC2のC末端を改変したコンストラクトの作製と形質転換体の作出 TRY及びETC2に特異的なC末端の部分を取り除いたコンストラクト(CPC::TRYΔCおよびCPC::ETC2ΔC)と、CPCやETC1に、TRYのC末端モチーフを付加したコンストラクト(CPC::CPC:CおよびCPC::ETC1:C)を作製し、シロイヌナズナに形質転換した。形質転換体の表現型を解析した結果、CPC::TRYΔC形質転換体の根毛数は、野生型やCPC::TRY形質転換体に比べて顕著に増加していることが分かり、TRYのC末端モチーフがTRYタンパク質の分解を促進していることが示唆された。現在他のコンストラクトの形質転換体についても順次解析を進めている。 2、阻害剤実験 TRY及びETC2タンパク質の根での早い分解が、ユビキチン化を経由したプロテアソームによる分解であるかどうかを明らかにするために、プロテアソーム阻害剤であるMG132,MG115を加えた培地でCPC::TRY:GFPまたはCPC::ETC2:GFP形質転換体を育てた。これまでのところ、阻害剤による融合タンパク質の分解の抑制は観察されていない。今後さらに条件を変えた実験を行う予定である。
|