研究概要 |
本研究においては、単為発生胚の胎盤にPeg10の機能をレスキューすることで、ゲノムインプリンティングの生物学的意義、単為発生におけるPeg10の役割を解明することを目的としている。 現在までに受精後10日目までに胎盤形成不全により初期胚致死となるPeg10KOマウスに対してPeg10を胎盤特異的に遺伝子導入することで確立は低いながらも新生児が産まれることを確認した。また、より詳細な解析のために、Peg10 conditional KOマウス作製を行い、Peg10 conditional KOマウスを得ている。Peg10 conditional KOマウスは、全身でCreを発現するCAG-Creトランスジェニックマウスとの交配では、Peg10KOマウス同様に初期胚致死となることから、Peg10 conditional alleleが正常に機能していることを確認した。 また、マウスの胎盤はtrophoblast giant cell,spongiotrophoblast,labyrinth layerの3層からなっており、そのうちのspobgiotrophoblastで特異的にCreを発現するTpbp-Creトランスジェニックマウスと交配をしてもPeg10KOマウスと同様の初期胚致死の表現型を示すことから、Peg10KOマウスで見られていた胎盤形成不全の表現型の原因がspongiotrophoblastにあることを明らかにできた。
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