研究領域 | ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 |
研究課題/領域番号 |
23101505
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
堀内 史朗 芝浦工業大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90469312)
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キーワード | 地域間交流 / 文化革新速度 / 伝統芸能 / 数理モデル / 社会調査 |
研究概要 |
【研究の目的】地域間交流があることで各地域の文化革新速度が速まるという仮説を検証するため、九州地方で伝統的におこなわれている神楽を舞台とした、地元住民と観光客が交流する実態調査をおこなった。調査と並行して、地域間交流が文化革新を引き起こすのに必要なメカニズムを数理モデルを構築することで分析した。 【研究実施状況】2011年度は宮崎県の伝統的な神楽に関する実態調査をおこなった。また繰り越し分の予算を用い、2012年度に大分県・熊本県の伝統的な神楽に関する実態調査をおこなった。調査の方法は、神楽への参与観察、教育委員会への聞き取り調査、神楽保存会に対する質問紙調査である。調査を通じて、芸能・芸術を介した人々の繋がりで文化革新が引き起こされる様子について明らかにした。また神楽が地域の枠をこえた人々の繋がりで伝承されることが原因で、地域の過疎高齢化に一定の歯止めがかかり、若者が定住している様子についても確認することができた。 その調査結果をふまえ、文化革新をひきおこすメカニズムを描いた数理モデルの構築をおこなった。地域の枠を越えて異なる人々が同じ空間に集まり、文化要素の社会学習をおこなう現象を地域間交流と名付け、文化全体に対する地域間交流の影響を調べた。もし地域間交流が文化エリートによって主導され、かつ地域間で人々の移住が一定の頻度であると、全体としての文化蓄積速度が速くなることを明らかにした。 研究成果は、数理社会学会大会などで発表し、関連する論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に宮崎県の調査は完了することができた。しかし、当初の予想以上に神楽保存会が存在することが分かったため、熊本県・大分県など他の九州地方の神楽に関する実態調査をおこなうことができなかった。そのため2013年度に調査の繰り越しをおこなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、異なる文化を所有する集団が交流することで全体としての文化レベルが高まることを明らかにすることを目的とする。しかし文化が異なる集団では、軋轢も生じるはずである。そのことを本研究は踏まえていない。来年度は、どのように異文化間の円滑なコミュニケーションが可能になるかをあきらかにする予定である。
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