研究領域 | ネアンデルタールとサピエンス交替劇の真相:学習能力の進化に基づく実証的研究 |
研究課題/領域番号 |
23101508
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
水野 敬 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ動態応用研究チーム, 研究員 (60464616)
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キーワード | 意欲 / 内発的動機付け / 報酬 / 有能感 / 達成感 / 学習 / fMRI / 神経基盤 |
研究概要 |
学習の強化因子として学習行動に直結する学習意欲喚起に資する内発的報酬(達成感・有能感)を提案し、有能感の神経基盤を機能的磁気共鳴画像法(fMRI : functional Magnetic Resonance Imaging)を用いて明らかにしたうえで、内発的報酬により喚起される意欲が強化学習に資する神経科学的プロセスを明らかにすることを本研究の目的とした。本年度は、有能感の神経基盤を探るための行動実験を中心に実施した。有能感は、ある課題成績に依存し生じると仮説を立てた。課題は作業記憶(ワーキングメモリ)課題の一つであるn-back taskを用いた。n-back taskは、ディスプレイ上にn個前に呈示された数字が、現在呈示されている数字と一致するか否かを判定することを要する。健常成人を対象とした行動実験において、1-、2-、3-、4- & 5-back tasksにおける刺激呈示時間の操作(0.7~3秒間)により、課題の難易度(正答率50~100%の範囲)を調整し、かつ、Visual Analogue Scale(VAS)等の有能感の主観的評価を行い、課題成績と主観的評価の相関解析により、各n-back taskに対する有能感の程度を測定するための課題条件の設定に成功した。行動実験により得られたこれらの成果から、fMRIを用いて有能感の神経基盤を明らかにするためのfMRI課題条件を確立することができたため、数名の被験者を対象としたfMRI実験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初の予定通り、健常成人を対象とした行動実験を中心に進め、得られた成果からfMRI用の課題を確立し、fMRI実験を開始することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始当初の予定通り、健常成人を対象に、fMRIを用いて有能感の神経基盤を明らかにする。さらに、内発的報酬により喚起される意欲が強化学習に資する神経科学的プロセスを明らかにするための研究を推進する。
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