公募研究
本年度は、SPring-8 BL35XUにおいてX線非弾性散乱実験を行い、YbPdのフォノン分散関係を調べた。Γ-X方向を調べたところ、縦波の音響フォノンがX点近傍でソフト化する様子が観測される一方、横波の音響フォノン、及び、縦・横波の光学フォノンにはソフト化は見られなかった。さらにΓ-M方向を調べたところ、M点付近ではソフト化は観測されなかった。以上の結果は、低温構造がa×a×2aであることを示唆しており、従来、低温X線回折や電子線回折から推測していた2a×2a×a構造とは矛盾する。現時点では両方の構造の可能性を考えながら低温構造を考察している所である。YbPdの低温構造に関しては、上記以外に、原研3号炉において中性子回折を行う予定であったが、原子炉の再稼働しなかったために実験できなかった。また、微小単結晶を用いたX線回折によっても構造を調べる予定であったが、本試料は加工に対して結晶が脆く、単結晶のラウエスポットが消失してしまうという問題が生じた。問題が生じないような試料加工方法をいくつか試みたが問題は解決せず、実験に至らなかった。改良型ブリッジマン高圧セルの立ち上げに関しては、室温で8GPaまで加圧し、電気抵抗測定をする所まで実現した。その他、EuRh2Si2系において圧力と磁場による価数転移を見いだし、EuPtP系において新たな多段価数転移の可能性を見いだした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 1件)
Journal of the Korean Physical Society
巻: 未定 ページ: accept
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 81 ページ: 103705-1-4
10.1143/JPSJ.81.103705