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2012 年度 実績報告書

超流動ヘリウム3の境界と渦における新奇な状態の探索と同定

公募研究

研究領域対称性の破れた凝縮系におけるトポロジカル量子現象
研究課題/領域番号 23103507
研究機関福井大学

研究代表者

高木 丈夫  福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00206723)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード本源的角運動量 / 超流動ヘリウム3 / NMR
研究実績の概要

超流動ヘリウム3や超伝導のクーパー対形成が,フェルミ球上で,どれだけの深さまで及んでいるのか,(対生成の相互作用の大きさ Δ 程度なのか,あるいはフェルミ球の最深部までか)は興味深い問題であり,生成されているクーパー対が超流動ヘリウム3A相や一部のスピン三重項状態超伝導体のように,軌道角運動量を陽に持っていた場合に,その量が観測可能かどうか,も同様に面白い問題である.この問題は Intrinsic Angular Momentum (IAM)問題として,超流動 3He A-相が発見されて以来議論されてきた.
この量を観測するには,超伝導体ではマイスナー効果により磁気的なプローブが使いにくい.そこで直径が 100μmの円筒容器に超流動ヘリウム3A相を閉じ込め,さらに回転を与え Mermin-Ho(MH) 構造を作り,その構造に固有のNMR 振動数を計算するという手法で,IAM が実際に観測に掛かるかどうかを判定する理論的考察を行った.MH 構造は回転に伴い,連続的に軌道角運動量 l ベクトルの空間構造を変化させる.このときの空間構造変化は, NMR の測定により決定できる.また,回転系での自由エネルギー Frot は,静止系の自由エネルギー F と Frot= F -ΩL の様に関係付けられるため,回転速度Ω に対する NMR の応答を観測することで,系の角運動量 L が軌道角運動量を含むかどうか,を決定することができる.
このことを用いて,IAM が観測可能な場合と観測不可能についての NMR 応答を求め,東大物性研で行われた実験結果の解釈を試みた.その結果,IAMが観測に掛かり,クーパー対1個あたりの角運動量が1量子数だけ保持していると考えられることが判った.今後,温度依存性や dベクトルの構造の異なる Mermin-Ho構造を含めて理論予想を立てることを計画している.

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Textures of Rotating Superfluid 3He-A in a Single Narrow Cylinder2013

    • 著者名/発表者名
      T. Kunimatsu
    • 雑誌名

      J. Low Temp. Phys.

      巻: 171 ページ: 280-286

    • DOI

      10.1007\s10909-012-0787-0

  • [学会発表] 超流動ヘリウム3の境界と渦における新奇な状態の探索と同定2012

    • 著者名/発表者名
      高木 丈夫
    • 学会等名
      科研費成果報告会
    • 発表場所
      大阪 ユーズツウ
    • 年月日
      2012-12-15 – 2012-12-15
  • [学会発表] Mermin-Ho Texture and Intrinsic Angular Momentum of of 3He-A phase2012

    • 著者名/発表者名
      T. Takagi
    • 学会等名
      International Conference on Topological Quantum Phenomena
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-05-16 – 2012-05-20
  • [学会発表] Texture of 3He-A phase in a narrow cylinder2012

    • 著者名/発表者名
      T. Kunimatsu
    • 学会等名
      International Conference on Topological Quantum Phenomena
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-05-16 – 2012-05-20
  • [学会発表] NMR Study on Mermin-Ho Texture in Rotating Superfluid 3He-A2012

    • 著者名/発表者名
      O. Ishikawa
    • 学会等名
      International Conference on Topological Quantum Phenomena
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-05-16 – 2012-05-20

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公開日: 2018-02-02  

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