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2011 年度 実績報告書

グラフェン構造を持ったシリコン平面二次元格子のエピタキシャル成長過程

公募研究

研究領域コンピューティクスによる物質デザイン:複合相関と非平衡ダイナミクス
研究課題/領域番号 23104504
研究機関東京工業大学

研究代表者

平山 博之  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60271582)

キーワード表面・界面物性 / 走査プローブ顕微鏡 / 結晶成長 / ナノ材料 / 物性実験
研究概要

本研究はシリコン(Si)原子と同様に、平面内に2次元立方格子を持って配列した"silicene"のエピタキシャル成長過程を実験的に探索し、計算科学との緊密かつ相補的な連携によりその成長過程や成長の必須条件を明らかにしようとするものである。このため本年度はSiと合金(シリサイド)を形成しない相互作用の弱い基板の代表であるAg(111)表面上に様々な温度や蒸着速度でSi原子を供給し、その際におきる成長過程を低速電子線回折(LEED)、オージェ電子分光(AES)および走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて探索した。
研究はこのための実験装置の設計・構築から始め、本年度中に実験を実施できる環境を実現した。っしてこれらの装置を使って行った実験により
1)Siliceneのエピタキシャル成長のためには、Si蒸着速度は非常に遅くないといけないこと。
2)Siliceneのエピタキシャル成長は、200-250℃程度の限られた温度領域でのみ実現されること。
を明らかにした。さらにsiliceneのエピタキシャル成長はAg(111)表面のステップエッジからテラス内部へと進行していき、成長初期にはAg(111)基板に対してsilicne格子が√<13>x√<13>の長周期構造で整合したドメインが、また成長の後期にはsilicene格子がAg(111)格子に対して4x4長周期構造で整合したドメインが発達しながら進行することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゼロからスタートした実験装置の構築が予定通りする進み、当初最大の目標であったsiliceneをAg(111)表面上にエピタキシャル成長させることに成功し、その成長条件に関する初期的知見が得られている。

今後の研究の推進方策

本年度に成功したAg(111)表面上へのsiliceneエピタキシャル成長に関する成長条件および成長過程の詳細を明らかにする。さらにその分子吸着やキャリア移動度などの基礎物性を明らかにする。またsiliceneのエピタキシャル成長をグラフェンなど別の基板表面に対しても試み、その成長における基板-Si原子相互作用の影響を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Ag(111)超薄膜上のsiliceneエピタキシャル成長過程(実験)II2012

    • 著者名/発表者名
      平山博之、青木悠樹、大城敦也
    • 学会等名
      新学術領域「コンピューティクスによる物質デザイン」研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2012-03-16
  • [学会発表] Ag(111)超薄膜上のsiliceneエピタキシャル成長過程(実験2011

    • 著者名/発表者名
      平山博之
    • 学会等名
      新学術領域「コンピューティクスによる物質デザイン」研究会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2011-10-07

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公開日: 2013-06-26  

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