公募研究
本研究では,「物質デザイン」のコンピューティクスに適した物質生成・加工のダイナミクスに対するランダムウォークモデルを提案する.物質生成・加工において,対象となる分子の集合の状態とそれらの結合関係がなす遷移関係は,前者を頂点,後者を辺とした有限グラフとして記述できる.化学反応はマルコフ的(無記憶的),つまり現在分子集合がどの状態にあるかのみに依存し,過去にどの反応経路を経由してその状態に到達したかによらない形で起こる.以上を考えると,物質生成・加工のプロセスにおける分子反応は,有限状態マルコフ連鎖,すなわち有限グラフ上のランダムウォークとしてモデル化できる.すなわち物質デザインは化学反応設計でありランダムウォーク設計となる.よってこれに望ましいランダムウォークの設計論が加われば,望ましい物質の生成プロセス自体を設計することが可能となる.本研究では,実際にコンピューティクスにおいて利用可能な「モデル」として,十分大きい複数の状態を1頂点として代表させた,いわば近似モデルとしての物質生成ダイナミクス・ランダムウォークモデルの提案を目指す.すなわち,本研究は1)物質生成ダイナミクスに対するランダムウォークモデルの提案と,2)そのモデルに適した望ましいランダムウォークの設計論,の提供を目指すものである.平成24年度研究では,1) 前年度に提案した複数のDNA配列が結合する様子のシミュレーションモデルに基づく計算実験を行った.また,2)複数粒子の結合系のランダムウォークの到達時間,全訪問時間の関係式の導出に成功した.さらに粒子結合モデルにおける,結合時間の非自明な上界値の導出に成功した 1)の結果は今後,高速・低速なDNA結合系のデザインへ結びつくと考えられる.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
SIAM J. Discrete Math.
巻: 27(4) ページ: 1748-1758
10.1137/120900368
PODC '12 Proceedings of the 2012 ACM symposium on Principles of distributed computing
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26th IEEE International Parallel and Distributed Processing Symposium Workshops & PhD Forum, IPDPS 2012
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10.1109/IPDPSW.2012.107
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K000224/research.html