公募研究
本申請研究では、既に申請者らが見いだしている硫黄修飾金担持型パラジウム(Sulfur-modified Au-supported Pd:SAPd)の研究成果を礎に、新しい反応場である硫黄修飾金の生成機構や物性等学術的特徴をまとめる。また、SAPdの利点を応用し、フローシステム・液層コンビ合成で大量且つ連続的に機能性分子を合成できる硫黄修飾金担持型金属触媒を開発する。具体的には、硫黄修飾金の生成機構や物性等学術的特徴については、「SAPdを用いたリガンドフリーBuchwald-Hartwig反応の開発」に成功したことと「大型放射光施設SPring-8での軟硬x線及びを用いた)XaFs実験」でSAPdの硫黄及びパラジウムの軌道情報を得られたことから、SAPdが従来の均一系あるいは不均一系金属触媒とは異なる新しい反応性及び反応場を有していることが明らかになってきた。即ち、SAPdはPdナノパーティクルを硫黄修飾金基板上に強力に担持しており、反応系中に高活性なPdナノパーティクルを放出するが、硫黄修飾金は反応後のPdナノパーティクルを補足する能力を有する(Catch&Release機構)。また、SAPdを用いたフローシステムでは、理論確証実権を確立し、実験室レベルでのフローシステムの開発に成功している。更に、SAPdを用いた液層コンビナトリアル合成では、約100化合物とミニライブラリーではあるが、迅速に合成できるシステムの構築に成功した。フローシステムや液層コンビナトリアル合成成功の鍵は、2つの異なるマイクロ波(シングルモードとマルチモード)の適切な利用にある。
2: おおむね順調に進展している
本申請研究での全ての実施内容において、確実に実験が勧められており、期待していたデータが集まっている。
現在の研究実施状況・体制を維持する。
すべて 2012 2011 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (12件) 備考 (1件)
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http://www.pharm.hokudai.ac.jp/yuuki/index.html