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2012 年度 実績報告書

ジメタラカルベンおよび高周期同族体を反応活性種とする分子活性化

公募研究

研究領域直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発
研究課題/領域番号 23105540
研究機関大阪府立大学

研究代表者

竹本 真  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20347511)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワードメタロカルベン / カルベン / カーバイド錯体 / メチリジン錯体 / アミド錯体 / イミド錯体 / N-ヘテロサイクリックカルベン / 活性種
研究実績の概要

カルベンは一般式CX2で表わされる中性の2価炭素種であり、その高い反応性から有機合成における重要な活性種として用いられてきた。本研究では、遷移金属フラグメントを置換基としたカルベン(メタラカルベン)の創出とその反応活性種としての性質の解明を目的とした。メタラカルベンは、電気陽性な金属中心の高いシグマ供与性とルイス酸性により、従来の有機カルベンには見られない特異な反応性の発現が期待される。昨年度までの研究により、2核Ruイミド・メチリジン錯体[(Cp*Ru)2(μ-NPh)(μ-CH)]BF4 (1)の低温での脱プロトン化により、ジルテナカルベン[(Cp*Ru)2(μ-NPh)(μ-C:)] (A)の発生を確認した。本年度はAの反応性を詳細に調査したところ、AがCO2やsp3C-H結合を含む様々な基質を活性化することが判明した。CO2およびカルコゲンとの反応ではAが求核的性質をもつことが、また、イリドPh2S=CH2との反応では求電子的性質をもつことが実証された。一方、AとH2Oおよびイソシアニドとの反応では、カルベン炭素とRu中心の協同的な反応性が見られた。H2Oとの反応では2つのO-H結合が活性化され、カルベン炭素にOが、またRuおよびイミド窒素にHが結合した錯体4が得られた。形式的に水がO原子とヒドリドおよびプロトンとに分解されたことになる。一方、t-BuNCとの反応では、Ru中心からカルベン炭素へのイミド原子団移動反応が誘起されC=N結合が形成されることが分かった。さらに、AとPR3との反応では、Cp*の分子内C-H結合切断により錯体6が得られたが、これは、ジルテナカルベンの求核性、求電子性およびRu-Cの協同的反応性の3つが発現した結果進行したものと考えられる。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Synthesis and N-H Reductive Elimination Study of Dinuclear Ruthenium Imido Dihydride Complexes2012

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, S; Yamazaki, Y.; Yamano, T.; Mashima, D.; Matsuzaka, H.
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 134 ページ: 17027-17035

    • DOI

      10.1021/ja3005682

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recent advances in the chemistry of ruthenium carbido complexes2012

    • 著者名/発表者名
      Takemoto, S. and Matsuzaka, H.
    • 雑誌名

      Coordination Chemistry Reviews

      巻: 256 ページ: 574-588

    • DOI

      10.1016/j.ccr.2011.10.025

    • 査読あり
  • [学会発表] Reaction Chemistry of Low-Coordinate Carbide Ruthenium Complexes2012

    • 著者名/発表者名
      Shin Takemoto
    • 学会等名
      錯体化学会第62回討論会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2012-09-21 – 2012-09-23
    • 招待講演
  • [学会発表] Quest for a New Type of Carbene Bearing Two Ruthenium Substituents2012

    • 著者名/発表者名
      Jun Ohata, Shin Takemeto, Hiroyuki Matsuzaka
    • 学会等名
      25th International Conference on Organometallic Chemistry 2012
    • 発表場所
      Lisbon, Portugal
    • 年月日
      2012-09-02 – 2012-09-07
  • [学会発表] 低配位14族元素を有する2核Ru錯体上での分子変換反応2012

    • 著者名/発表者名
      竹本真
    • 学会等名
      直截的物質変換をめざした分子活性化の開発 第3回公開シンポジウム
    • 発表場所
      金沢歌劇座
    • 年月日
      2012-05-18 – 2012-05-19

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公開日: 2018-02-02  

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