研究領域 | 気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 |
研究課題/領域番号 |
23106502
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
岩坂 直人 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (60211760)
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キーワード | 黒潮 / 続流 / 海洋混合層 / 長期変化 |
研究概要 |
本研究では、中高緯度大気海洋相互作用にとって重要な黒潮続流南方海域の混合層年々変動に関して 1. 1970年以降40年間の海洋混合層変動要因とその変化の確認 2. 混合層変動と亜熱帯循環系の構造変化、大気循環場との関係の解明 3. 混合層における塩分の変動の実態とその要因分析 を目的に研究を進めた。 平成23年度は、1.と2.に関して、その解析の基礎となる黒潮続流流路を歴史的海洋観測データ(World Ocean Data Base 2009)から再構築した。対象期間は1971年~2009年、海域は東経141度~153度、空間分解能0.5度である。その結果については、海面高度計データがある1992年以降について比較し、概ねよく再現していることがわかった。またそれ以前については、日本水路協会刊行の海上保安庁海洋速報に基づく流路との比較を行い、やはり概ね続流流路を再現していることを確かめた。 さらに、1.に関しては予備調査としてIwamaru et al. (2010)で作成された黒潮続流南方海域の水温鉛直プロファイル時系列と、作成した続流流路時系列から求めた流路長指標の比較を行い、Iwamaru et al. (2010)を支持する結果を得ている。 他方、亜表層水温プロファイル時系列については、再構築を終え品質管理を実施した。 これらの時系列再構築により、約40年間の続流域の海洋変動について観測に基づく研究を行う準備ができた。このようなデータは他に類を見ないもので、年々変動のみならず10年変動の研究にも貢献できるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
続流流路時系列作成、続流南方海域の水温鉛直プロファイル時系列作成は予定通りだが、解析が不十分で、とくに大気循環場との関係についてはさらに検討を進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に作成した約40年分の時系列に基づく大気海洋相互作用を観測に基づき、さらに推進する。また同時に高解像度海洋循環モデルによるハインドキャストデータとの比較などで対象海域の変動のメカニズムを推定する。なお、塩分変動については、水温に比べて資料が極端に少なく、年々変動の考察は困難と思われるので、主に10年変動を中心に解析する予定である。
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