研究領域 | 気候系のhot spot:熱帯と寒帯が近接するモンスーンアジアの大気海洋結合変動 |
研究課題/領域番号 |
23106506
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
相木 秀則 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (60358752)
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キーワード | 海洋物理 / 気候変動 / 気象学 / 数値シミュレーション / 地球流体 |
研究概要 |
雲解像大気モデル(CreSS:Croud Resolving Storm Simulator:名古屋大学)と非静力海洋モデル(NHOES:Nonhydrostatic Ocean model for the Earth Simulator:海洋研究開発機構)の結合モデルをベースにしてモデル開発を進めた.従来の結合モデルでは大気海洋間の各種フラックス(風応力や熱フラックス)が単純なバルク式によって見積もられ、海面の波浪の砕波などの情報が考慮されていなかった。そこで新たに波浪モデルをコーディングして大気・海洋・波浪の(三者)結合モデルを開発した.これによって大気海洋間のフラックスを見積もるバルク式に波齢や海面粗度依存性を導入し高度化していくためのプラットフォームが完成した.波浪による摩擦によって台風が弱化されることはしばしば指摘されていたが、これをモデル感度実験を用いて確かめたり、大気境界層内の乱流収支を計算したり、運動量の収支を「風から波浪」に行く分をまず計算しその後「波浪から海流」に行く分を計算する等、さまざまなプロセスについて今後の発展が期待される,波浪の影響を取り入れることによる海洋混合層の力学の変化についてまとめた論文(Aiki&Greatbatch,2012 JPO)を出版した.モデル開発と平行して、海洋混合層が台風の発達に与える影響を調べた季節感度実験、インド洋の船舶観測(CINDY2011/DYNAMO)に合わせた毎日の予報実験(2011.10.01から2012.01.31まで)等を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文1本が出版されたこと及び大気・海洋・波浪結合モデルのプロトタイプが完成したことから、本年度は計画通りおおむね順調に進展したと言える.
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今後の研究の推進方策 |
波浪と海洋混合層の力学過程(各種フラックスのパラメタリゼーションを含む)に関する理論的な論文をさらに2本投稿中なので研究期間内(H24が最終年度)に受理される可能性がある.台風のシミュレーション結果の解析と波浪モデルの導入に関する論文は研究期間内に投稿することが目標である.
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