公募研究
内部に空孔を有するポリマーソームは多くの機能を持つため、さまざまな分野への応用が期待されている。本研究ではポリマーソームの合成法として鋳型粒子に高分子ミセルを用いることを検討した。また、ポリマーソームのシェルを形成するポリマーとして、感温性のポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(pNPAM)を用いた。pNIPAMは室温付近で水分子と水素結合を形成して水和するため、水に溶解するが、温度を下限臨界溶液温度(LCST)より高くすると水素結合が壊れて沈殿する。ポリマーソームのシェルの架橋にはシンナモイル基の光二量化反応を用いた。具体的な感温性ポリマーソームの作製法は、まず鋳型を形成する両親媒性ポリマーとしてポリメタクリル酸メチルとポリアクリル酸からなるジブロック共重合体(pMMA-pAAc)を合成した。pMMA-pAAcは水中でコア-シェル型の高分子ミセルを形成する。このポリマーとは別に側鎖にスルホネートイオンを持つpAMPSおよび、感温性のpNIPAMと光架橋性のシンナモイル基を側鎖結合したモノマーによるンダム共重合体からなるジブロック共重合体(pAMPS-p(NIPAM/CEA))を合成した。まず水中でpMMA-pAAcの高分子ミセルを形成し、pAMPS-p(NIPAM/CEA)を添加するとpNIPAM側鎖のアミドと鋳型ミセルのシェルを形成するpAAcのカルボン酸間の水素結合でpAMPS-p(NIPAM/CEA)は鋳型の高分子ミセル表面に吸着してコア-シェル-コロナ型のミセルを形成した。この状態でUV光照射によりシンナモイル基を二量化することでシェルを架橋した。さらにこの溶液を有機溶媒で透析して、鋳型を取り除くことで感温性架橋ポリマーソームを合成した。合成した感温性ポリマーソームの空孔内部へのゲスト分子の取り込みと、温度に応答した制御放出についても可能であることを確認した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (26件) (うち査読あり 25件) 学会発表 (70件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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