公募研究
本研究では、マベガイ真珠バイオミネラリゼーションタンパク質のX線構造解析とタンパク質工学的解析、さらにマトリックスタンパク質の構造変化を詳細に解析し、真珠バイオミネラリゼーションに重要な構造要因とそのメカニズムを明らかにする。さらに構造制御する人工タンパク質・ペプチド超分子をデザインし、新規機能性材料の作成を目的とした。1.真珠マトリックスタンパク質のリコンビナント発現系の構築:炭酸カルシウム結晶核形成促進因子である26kDaADPリボシルトランスフェラーゼ様タンパク質(26ART-P)のリコンビナント発現系は,大腸菌発現用にコドンを最適化させた人工遺伝子をもちいたところ,Hisタグ融合タンパク質での発現に成功した。また,ジャッカリン様レクチンPPL2をコンジェリンをタグとした発現系をもちいて十分な発現が見られた。2.バイオミネラリゼーション制御機構の解明:真珠アラゴナイトマトリックスタンパク質のバイオミネラリゼーションに伴う構造変化を二次元電気泳動により比較した結果,リン酸化修飾による構造変化が示唆された。その主要なタンパク質成分として,26ART-Pとジャッカリン様レクチンなどが検出された。3.結晶核形成促進因子の立体構造解析:26ART-Pのタンパク質結晶化条件探索を行い結晶を得た。X線露光実験を行い3.0 Aのデータ取得に成功したが、分子置換法では構造決定できなかった。同型置換法による位相決定を試み、K2PtCl4など重原子をソーキングし、Spring8 BL38B1にてMAD(多波長異常分散法)により測定したところ、Pt誘導体で微弱ながらもXAFSシグナルを観測できた。重原子誘導体単結晶MAD測定を行い位相決定を行ったが、モデル構築は困難であった。しかしMAD法が有効である事が確認できた。一方、PPL2AのX線構造解析も3.5A分解能でのデータ取得に成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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