研究領域 | 融合マテリアル:分子制御による材料創成と機能開拓 |
研究課題/領域番号 |
23107533
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
長田 実 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (10312258)
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キーワード | 無機ナノシート / 融合マテリアル / 分子設計 / 第一原理計算 / 生物模倣集積 / Layer-by-Layer集積 |
研究概要 |
自然界には、無機-有機ハイブリッドとも呼べる融合マテリアルが多数存在しており、常温常圧の条件において人工材料を凌ぐ優れた材料、機能が作られる。我々のグループでは、新たな融合マテリアルの創製を目指し、層状化合物を単層剥離して合成される分子レベルの薄さの2次元ナノ物質「無機ナノシート」に注目し、無機材料サイドから機能開発や構造設計を行っている。本年度は、伝導性、半導体性、誘電性、磁性など多彩な機能を有する酸化物ナノシートを対象に、(1)分子設計による新規機能開発、(2)生物を模倣した階層構造の作製による高次機能開発の検討を行った。 これまで開発した酸化チタン、ペロブスカイト、酸化タンタル系ナノシートをベースに、第一原理計算を援用した分子設計により精密ドーピングや構造制御を行い、優れた高誘電機能、レッドクス活性、フォトクロミック特性などの新規ナノシートの開発に成功した。特に、高誘電性酸化チタンナノシートにおいては、化学組成と構造の精密制御により、誘電特性の自在な制御が実現し、Nbを約30%置換したナノシートでは、膜厚5~10nmレベルの薄膜で世界最高の誘電率320を達成した。さらに、高誘電体、強磁性ナノシートをベースに、Layer-by-Layer集積により多層膜や超格子を作製し、融合マテリアルの開発を行った。その結果、高誘電体、強磁性ナノシートにおいては、構造と電子状態を精密に制御した超格子を作製することで電磁気物性の人工的制御を実現し、巨大磁気光学効果、界面誘起強誘電性などの新規機能の開拓に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していた第一原理計算を援用した分子設計によるナノシートの機能開発に成功し、融合マテリアルの構築と高次機能の創製を目指す次年度の研究基盤を構築した。また、次年度の融合マテリアルの構築についても、一部前倒し的に進めており、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、昨年度開発した種々の機能を有する無機ナノシートをベースに、融合マテリアルの構築と高次機能の創製を行う。また、さらなる機能開拓を目指し、新学術領域のメンバーと共同で、異種物質との複合化プロセスの開発を行い、ナノシートを基幹ブロックとする高次ナノ構造体の構築と機能デザインの新しい道筋をつくる。
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