研究領域 | 揺らぎが機能を決める生命分子の科学 |
研究課題/領域番号 |
23107701
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
相沢 智康 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (40333596)
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キーワード | カイコ / 転写因子 / リピート配列 / DNA結合ドメイン / 天然変性蛋白質 |
研究概要 |
カイコの絹の主成分であるフィプロインの時期特異的かつ部位特異的な転写を制御する因子FMBP-1から発見されたDNA結合ドメインであるSTPRドメインは、9塩基対からなるATリッチの特異的配列に結合する。このドメインは、23残基の極めて配列相同性の高いリピート配列が4回繰り返した特徴的なタンデムリピート構造を有しており、代表者の研究成果から、遊離状態では揺らぎの大きな天然変性構造をとるにもかかわらず、DNA結合状態ではα-helixリッチな構造を形成することが明らかになった。そこで、このDNA結合ドメインのDNAとの相互作用に伴う立体構造形成に関する、動的認識メカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。 まず、遊離状態のSTPRドメインのNMRスペクトルは天然変性蛋白質に特徴的なものであるが、安定同位体標識試料により帰属が可能であると考えられるため、本年度はこのNMRスペクトルの解析を重点的に進めた。今後、さらに帰属作業を進め、各種のスペクトルを詳細に解析することで、STPRドメインの揺らぎとDNA認識について残基レベルでの解析が期待できる。 さらに細胞、絹糸腺でのFMBP-1の動的挙動についてFCSを用いた解析を進めた。STPRドメインを含むFMBP-1が核内でDNAを認識し転写活性化を行う際のFMBP-1とその変異体の振る舞いについて、Hela細胞を用いた系と絹糸腺でのFCS解析を進め、実際の生体内でのDNA認識に関する動的挙動に関していくつかの有用な知見を得ることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
安定同位体試料を用いたNMR解析、培養細胞や絹糸腺を用いたFCS解析などが順調に進んでおり、当初の計画通り、次年度も研究を展開する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、初年度に得られた成果を元にさらに研究を進める。
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