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2012 年度 実績報告書

原核生物多剤耐性トランスポーターの構造揺らぎと薬剤排出活性のNMR解析

公募研究

研究領域揺らぎが機能を決める生命分子の科学
研究課題/領域番号 23107735
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

竹内 恒  独立行政法人産業技術総合研究所, 創薬分子プロファイリング研究センター, 主任研究員 (20581284)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード核磁気共鳴 / 立体構造解析 / 多剤耐性
研究実績の概要

1原核生物は様々な薬剤に対して耐性を獲得するため、細胞膜上に多剤耐性トランスポーターを発現させている。一方、多剤耐性トランスポーターの発現は、多剤耐性転写制御因子(MDR-GR)により制御されており、MDR-GRが細胞内に侵入した薬剤を認識し、多剤排出トランスポーターの転写を亢進させることでその細胞膜上での発現を増大させる巧妙なシステムが構築されている。本年度はこのMDR-GRに着目し、研究を推進した。MDR-GRにはTetR, MerR, PadRと3種類のファミリーが知られており、それぞれ異なる多剤認識機構を持つと考えられる。そのうちPadRファミリーに属するLmrRは、他のMDR-GRとは異なり二量体形成面において挟み込むようにして1分子の薬剤を認識するため、薬剤の多様な構造に合わせて、分子全体の構造を変化させる必要がある。LmrRの薬剤非結合状態、結合状態における運動性を比較することで、分子の揺らぎと多剤認識機構との関係をNMRを用いて解析した。薬剤が結合していない状態において解析を行ったところ、薬剤認識部位のシグナル強度がその他の部位に比べて顕著に低く、またシグナルが観測されない残基が複数存在することが判明した。またLmrRの主鎖アミド基の緩和解析を行った結果、N, C末端およびループ部分以外にC末端薬剤結合へリックスの一部がps-ns領域の早い運動性を示すことが明らかとなった。またN, C末端薬剤結合へリックスは全領域にわたり大きなT1/T2値を示し、ms-usの遅い運動性を有することが明らかとなった。これらの結果はLmrRが非結合状態においては薬剤結合部位に多型を保持することで、様々な薬剤に対する結合親和性を保障していることを示唆し、多剤耐性薬物トランスポーター等の基質認識機構の理解にもつながるものと考える。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A homogeneous, high-throughput assay for phosphatidylinositol 5-phosphate 4-kinase with a novel, rapid substrate preparation2013

    • 著者名/発表者名
      Davis MI, Sasaki AT, Shen M, Emerling BM, Thorne N, Michael S, Pragani R, Boxer M, Sumita K, Takeuchi K, Auld DS, Li Z, Cantley LC, Simenov A
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e54127

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0054127

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Structural Basis for the Golgi Association by the Pleckstrin Homology Domain of the Ceramide Trafficking Protein (CERT)2012

    • 著者名/発表者名
      Sugiki T, Takeuchi K, Yamaji T, Takano Y, Tokunaga Y, Kumagai K, Hanada K, Takahashi H, Shimada I
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 287 ページ: 33706-33718

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.367730

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional dynamics of proteins revealed by solution NMR.2012

    • 著者名/発表者名
      Osawa M, Takeuchi K, Ueda T, Nishida N, Shimada I.
    • 雑誌名

      Curr Opin Struct Biol

      巻: 22 ページ: 660-669

    • DOI

      10.1016/j.sbi.2012.08.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional Equilibrium of the KcsA Structure Revealed by NMR2012

    • 著者名/発表者名
      Imai S, Osawa M, Mita K, Toyonaga S, Machiyama A, Ueda T, Takeuchi K, Oiki S, Shimada I
    • 雑誌名

      J Biol Chem

      巻: 287 ページ: 39634-39641

    • DOI

      10.1074/jbc.M112.401265

    • 査読あり
  • [学会発表] 酵母K.Lactis発現系を用いた高分子量蛋白質の重水素化およびメチル選択標識2012

    • 著者名/発表者名
      宮沢-大浪 真由美,竹内 恒, 杉木 俊彦, 高野 等覚, 嶋田 一夫, 高橋 栄夫
    • 学会等名
      第51回NMR討論会
    • 発表場所
      愛知県名古屋市・ウインクあいち
    • 年月日
      2012-11-08 – 2012-11-08
  • [学会発表] 多剤耐性転写制御因子の揺らぎによる薬剤認識機構2012

    • 著者名/発表者名
      竹内 恒、嶋田 一夫
    • 学会等名
      新学術領域「揺らぎと生体機構」「水和とATP」合同公開シンポジウム「ゆらぎと水-生命のエネルギーと機能の分子機構を探る」
    • 発表場所
      大阪府大阪市・大阪ガーデンパレス
    • 年月日
      2012-09-14 – 2012-09-14
  • [備考] http://unit.aist.go.jp/birc2/

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公開日: 2018-02-02  

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