研究概要 |
アスペルギルス属でゲノム配列が明らかになった8種にコードされるポリケチド合成酵素 (PKS) 遺伝子約250個を収集し、その基本となるドメイン構造 KS, AT, ACP, KR, DH, ER, および CYC を予測した。その結果を、他の菌類及びバクテリアに含まれる繰り返し型PKSおよそ150個とあわせ、分子系統解析をおこなった。 結果は http://metabolomics.jp/wiki/Category:PK にまとめてあり、ページ上部のリンクをたどることで個々の遺伝子のドメイン構成、それを記述した文献情報がわかるデータベースを構築した。現時点で登録される範囲でUniRefデータベースの情報も記載した。文献は総計で89論文の中身を精査し、記述してあるPKSと生産物の情報を記載した。(http://metabolomics.jp/wiki/Category:PK/References) 多くの PKS は最終産物に従ってグループを形成する。しかし例えば A. ochraceus が持つオクラトキシン合成酵素のように異なる遺伝子グループ内にまたがるものもある。25年度繰り越し分において、これがオクラトキシンの合成経路が複数あることに対応するのか、配列解析の不備によるのかを検証した。またPKS遺伝子の近傍にあるクラスターを解析するためAntiSmashサーバーを用いて A. nidulans をテンプレートとしたクラスター解析をおこなった。Aspergillus 属だけでなくCurvularia 属など他の菌類の遺伝子解析もおこなった。
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