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2011 年度 実績報告書

原核生物P450を機能発現する植物形質転換系の構築

公募研究

研究領域生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御
研究課題/領域番号 23108514
研究機関神戸大学

研究代表者

水谷 正治  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60303898)

キーワードP450 / クマリン / Nicotiana benthamiana / 植物形質転換
研究概要

原核生物型P450は、電子伝達系としてフェレドキシン(Fd)およびフェレドキシンNADP^+還元酵素(FNR)を利用する。植物細胞内ではI)小胞体膜上のNADPH-P450還元酵素、II)ミトコンドリア内のFd+FNR、III)葉緑体内のFd+FNRの3つの電子伝達系のいずれかを利用して、効率よく原核生物型P450に電子を伝達させる必要がある。一方、P450を含む生合成マシナリーを植物内で再構築するためには、複数の生合成遺伝子を同時に植物へ導入する必要がある。本課題では、(1)多重遺伝子を発現させるための植物形質転換系の構築を行う。次に、構築した植物形質転換系を用いて、(2)原核生物型P450(原核生物P450および動物ミトコンドリアP450)を植物で機能させるための植物発現系の開発を行なう。タバコ(Nicotiana benthamiana)を利用したアグロインフィルトレーション法は、発現ベクターで形質転換したアグロバクテリウムをシリンジでタバコ葉に注入することにより、数日後に目的遺伝子を一過的に発現させるという方法であり、複数の生合成遺伝子を同時に植物へ導入して一過的過剰発現を行うことにより、植物体内での目的代謝産物の生成を短時間で評価できる。今回、植物二次代謝生合成マシナリーのモデルとして、クマリン類生合成に関わる酵素遺伝子の発現ベクターを導入したアグロバクテリウムをタバコ葉に注入し、数日後にクマリン類の分析を行った。柑橘由来のC2H遺伝子を注入した結果、タバコ葉中に多量のスコポレチンとウンベリフェロンを検出した。また、各種移行シグナルを融合した原核生物型P450およびP450反応の基質を生産する酵素の各遺伝子発現ベクターを作成した。今後、アグロインフィルトレーション法により、各発現コンストラクトを評価していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

発現系を迅速に評価するための植物発現系の構築を行うことができた。また、評価する対象の原核生物型P450の発現ベクターの一部を構築することができた。

今後の研究の推進方策

P450を含む生合成マシナリーを植物内で再構築するためには、複数の生合成遺伝子を同時に植物へ導入する必要がある。H24年度は、原核生物型P450として動物ミトコンドリア局在型P450に各N末シグナルを付加して発現ベクターを構築する。また、放線菌由来の抗生物質生合成遺伝子クラスター中のGGDPS、ジテルペン合成酵素、P450の各遺伝子を植物の葉緑体で発現するよう改変したベクターを構築する。それぞれをアグロインフィルトレーション法によりタバコへ導入し、代謝産物を分析する。以上にようにして、原核生物型P450の植物細胞での発現系を評価する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Triterpene functional genomics in licorice for identification of CYP72A154 involved in the biosynthesis of glycyrrhizin2011

    • 著者名/発表者名
      H.Seki, S.Sawai, K.Ohyama, M.Mizutani, T.Ohnishi, H.Sudo, E.O.Fukushima, T.Akashi, T.Aoki, K.Saito, T.Muranaka
    • 雑誌名

      Plant Cell

      巻: 23 ページ: 4112-4123

    • DOI

      10.1105/tpc.110.082685

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CYP716A subfamily members are multifunctional oxidases in triterpenoid biosynthesis2011

    • 著者名/発表者名
      E.O.Fukushima, H.Seki, K.Ohyama, E.Ono, N.Umemoto, M.Mizutani, K.Saito, T.Muranaka
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol

      巻: 52 ページ: 2051-2060

    • DOI

      10.1093/pcp/pcr146

    • 査読あり
  • [学会発表] クマリン類生合成の鍵酵素である桂皮酸類オルト位水酸化酵素の解析2011

    • 著者名/発表者名
      水谷正治、伊藤杏子、清水文一、杉本幸裕
    • 学会等名
      第29回日本植物細胞分子生物学会
    • 発表場所
      九州大学箱崎キャンパス
    • 年月日
      2011-09-07

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公開日: 2013-06-26  

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