研究概要 |
多くの生物種に分布するチアゾールオキサゾール含有ペプチド(TOPs : Thiazole Oxazole containing Peptides)は様々な生理活性を有している有用物質である。我々によって放線菌より発見された二次代謝産物・ゴードスポリンはTOPsに属し、リボゾーム翻訳系を使って生合成される特徴がある。このためゴードスポリンの構造遺伝子の塩基配列置換により、多様なゴードスポリン類縁体を作り出すことができる。本研究では、ゴードスポリン及び類縁TOPs生合成マシナリーを利用して様々な構造のTOPを効率的に高生産するシステムを構築することを目的とする。 1,ゲノム情報に基づいた未同定TOPs生合成マシナリーの発掘 公開されている放線菌ゲノム情報を利用して、未同定TOPs生合成遺伝子群をクローニングし、新規のリボゾーム翻訳系によって合成されるTOPsを発掘した。具体的にはStreptomyces lactacystinaeus OM-6519に存在する未同定TOP生合成遺伝子をクローニングし、S.lividansを用いて発現させ、生産物を同定した。その結果、TOPsの内のチオペプチドに属する化合物の生産が確認でき、構造解析の結果新規物質であることが明らかとなったため、lactazoleと命名した。本化合物は6つの生合成遺伝子によってリボゾームによる翻訳により合成されることが明らかとなった。
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