研究領域 | 生合成マシナリー:生物活性物質構造多様性創出システムの解明と制御 |
研究課題/領域番号 |
23108530
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 努 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80334655)
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キーワード | ペプチド / 非天然型天然物 / メタゲノム / NRPS |
研究概要 |
1)チコリン生合成遺伝子のin vivoクローニングとDNA配列の決定 縮重プライマーウォーキングおよび次世代シーケンサーのデータから全DNA配列(約75kbを予想できた。今後、推定配列が正しいかPCRを行った後、ショットガンシーケンスによって配列を決定する。また、in vivoクローニングする系を確立した。今後、チコリン生合成遺伝子全長(約75kb)を丸ごとクローニングする。 2)大腸菌におけるチコリン生合成遺伝子の発現系構築 チコリン生合成遺伝子の全長配列決定に手間取っている。したがって、枯草菌由来のサーファクチン生合成も新たにターゲットに加えた。枯草菌でモジュール置換NRPSライブラリーを作るため、サーファクチンの2番目のモジュール遺伝子を破壊した枯草菌の作製や、導入するプラスミドの構築を達成した。したがって、枯草菌由来サーファクチン生合成遺伝子発現系を構築できた。 3)メタゲノム由来モジュールライブラリーの作製 汚泥、温泉、水田、堆肥などの土壌から抽出したメタゲノムを鋳型として、数種の組み合わせの保存アミノ酸配列の縮重プライマーを用いてPCRした。ある組み合わせにおいてNRPSと推定されるサイズのバンドが確認できた。プラスミドに導入後、数個のクローンのDNA配列を確認したところ、ほとんどがNRPS遺伝子であり、かつ配列には多様性があることを確認できた。したがって、今後、メタゲノムからモジュールライブラリーを作製し、枯草菌由来サーファクチン生合成遺伝子発現系に導入し、非天然型ペプチドの創出を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたチコリン生合成遺伝子の配列決定には至らなかったが、枯茸菌由来サーファクチンの生合成遺伝子発現系を構築できた。メタゲノム由来モジュールライブラリーの作製は予想通り達成できた。今後、枯草菌由来サーファクチンの生合成遺伝子発現系にメタゲノム由来モジュールライブラリーを導入して非天然型ペプチドを創出できる段階まで達成した。また、チコリン生合成遺伝子ももう少しで決定できそうであり、今後その系も構築できそうである。したがって、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
チコリン生合成遺伝子の全長配列決定に手間取ったので、枯草菌由来サーファクチンの生合成遺伝子発現系を新たなターゲットに加え、既に構築を達成した。したがって、問題は回避できており、今後、非天然型ペプチドの創出の段階に入ることができる。
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