研究領域 | 電磁メタマテリアル |
研究課題/領域番号 |
23109506
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松井 龍之介 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80452225)
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キーワード | 光物性 / テラヘルツ材料・素子 / 有機半導体 / 有機メモリ / プラズモニクス / メタマテリアル |
研究概要 |
従来の光学の常識を遥かに超えた機能を発現する新規光学材料としてプラズモニック・メタマテリアルに関する研究が活発化している。本研究では従来不揮発メモリデバイスとして検討されてきた有機半導体/金属ナノクラスター/有機半導体構造による電気的に制御可能な双安定テラヘルツ・プラズモニック・メタマテリアルの創出を検討している。まずは研究室保有の金属蒸着装置の電極を2基とし、系を真空に保持したまま有機半導体試料/金属材料の交互積層膜形成が可能なシステムとした。Alナノクラスター形成に適した蒸着レートを詳細に検討し、先行研究報告の再現に努めた。有機低分子AIDCNとAlナノクラスター交互積層による有機メモリ素子を作製し、電流-電圧特性における双安定性を確認している。また、透過型電子顕微鏡用のメッシュをマスクとした微細構造の形成に取り組み、電界印加時においても短絡のない素子の作製が可能なレベルに達している。今後、テラヘルツ応答を検証していく予定である。 一方で、これまで本研究室にて構築してきたQスイッチNd:YAGレーザーを光源とした波長可変な光パラメトリック発振(OPO)光学系を、2個のKTP結晶を用いる方式へと拡張し、より波長制御性の高い、そして有機非線形光学結晶DASTによるテラヘルツ電磁波発生により適した光学系への改善を検討してきた。現在までのところOPOの発振には至っておらず、誘電体ミラーや種光の導入などといった観点から今後も継続して改善を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有機メモリ素子の電流-電圧特性において素子によるばらつきが大きく、安定した素子の作製に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
再現性良く有機メモリ素子を作製するための条件の洗い出しに努める。また、作製した素子のテラヘルツ応答を、テラヘルツ時間領域分光法により検証する。フォトリソグラフィーによる微細構造の作製を検討し、数センチメートル角程度の素子作製を目指す。また、多重積層による素子の3次元化を検討する。
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