公募研究
電子ビームのメタ表面(メタマテリアル表面)におけるスミス・パーセル効果を利用した逆チェレンコフ放射の研究を行った。これまでに、単純な周期構造である金属回折格におけるスミス・パーセル効果による多方向テラヘルツ波発生を行ってきたが、今年度は、金属回折格子をメタ表面に拡張し研究を行った。その結果、メタ表面においてもスミス・パーセル放射が可能であることを明らかにした。・Vアンテナを用いたメタ表面アルミが蒸着された石英板にフォトリソグラフィーによるエッチングを行い、薄い金属層である8種類のVアンテナ(周期長:1.5 mm)から構成されるメタ表面を製作した。アンテナ近傍に電子ビーム(エネルギー:~30 MeV)を通過させた結果、テラヘルツ波強度・周波数はアンテナに対する電子ビームの通過方向・電子ビームに対する放射方向に依存する異方性が明らかとなり、例えば放射角が65°のとき0.4 THzにピークを持つ単色テラヘルツ波が観測された。・直線アンテナを用いたメタ表面電磁波の共振によるテラヘルツ波伝搬方向を制御することを目指して、薄い金属層である3種類の直線アンテナ(周期長:1.6 mm)から構成されるメタ表面を製作した。この場合もテラヘルツ波強度・周波数はアンテナに対する電子ビームの通過方向・電子ビームに対する放射方向に依存する異方性が観測された。放射角が60°の時、アンテナの向きを反対にすると、0.4 THz単色もしくは1.3 THz多モードテラヘルツ波の発生に成功した。メタ表面におけるスミス・パーセル放射を観測し、チェレンコフ放射の放射角制御の可能性が明らかとなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Rev. Sci. Instrum.
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http://dx.doi.org/10.1063/1.4731652
プラズマ・核融合学会誌
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