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2012 年度 実績報告書

深海熱水噴出孔下に存在する活動的微生物圏の検証

公募研究

研究領域海底下の大河:地球規模の海洋地殻中の移流と生物地球化学作用
研究課題/領域番号 23109701
研究機関東京大学

研究代表者

柳川 勝紀  東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (50599678)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード海底熱水系 / 熱水孔下生命圏 / 嫌気的メタン酸化
研究実績の概要

海底熱水系で見つかる(超)好熱菌は,熱水噴出孔下から運ばれてきたものであると考えられている.この熱水孔下生命圏については分子生物学や地球化学に基づく状況証拠が報告され始めているが,その直接証明に成功しているとは言えない.本研究では、統合国際深海掘削計画IODP Expedition 331で取得されたコア試料の微生物学解析を通し、中部沖縄トラフ伊平屋北海域の深海熱水噴出孔下に広がる海底下微生物圏の解明を試みた.前年度の解析で、原核生物由来のDNAの抽出とPCR増幅に成功し,熱水孔下の高温環境中においても検出されることを明らかにできた.その後の解析でコアの最深部にはHot Water Crenarchaeotic Group IVというアーキアが優占していることが分子系統解析から明らかになった.微生物の生息限界深度は分子生物学解析,培養,酢酸分解活性などからも支持された.その棲息環境は50-90℃であることが温度計で計測されているが,古地温からの推定では150℃付近の高温を記録していた.過去の高温熱水活動が現在の微生物生息範囲を制限していると予想される.浅部では活発な微生物活動が検出されており,特に嫌気的メタン酸化反応が現場のメタンの挙動を支配していることが同位体化学と放射性同位元素を用いた活性測定によって明らかにされた.嫌気的メタン酸化古細菌に特有の機能遺伝子であるmcrAを用いた解析を行ったところ,他の熱水活動域で検出される環境クローンと相同性が高く,高温環境下に特異的な嫌気的メタン酸化古細菌のグループが生息していることが示唆された.本結果により,中部沖縄トラフ伊平屋北海域の深海熱水噴出孔下には,海底熱水によって運ばれるメタンを利用することでエネルギーを獲得する生態系が存在することが明らかにされた.

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] メタン循環に関わる海底下生命圏2012

    • 著者名/発表者名
      柳川勝紀
    • 雑誌名

      石油技術協会誌

      巻: 第77巻 ページ: 374-383

    • 査読あり
  • [学会発表] Structural and functional diversity of microbial communities beneath the hydrothermal vent at the Iheya North field of the Mid-Okinawa Trough (IODP Expedition 331)2012

    • 著者名/発表者名
      Katsunori Yanagawa
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2012-12-03
  • [学会発表] Structural and functional diversity of microbial communities beneath the hydrothermal vent at the Iheya North field of the Mid-Okinawa Trough2012

    • 著者名/発表者名
      Katsunori Yanagawa
    • 学会等名
      IODP Expedition 331 2nd Postcruise Meeting
    • 発表場所
      Kona, Hawaii, USA
    • 年月日
      2012-11-12 – 2012-11-14
  • [学会発表] 熱水噴出孔下に生命圏は存在しうるか? ー 中部沖縄トラフ伊平屋北海域 IODP 掘削 (Exp. 331) からの答えー2012

    • 著者名/発表者名
      柳川勝紀
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2012年大会
    • 発表場所
      千葉,幕張メッセ
    • 年月日
      2012-05-21

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公開日: 2018-02-02  

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