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2012 年度 実績報告書

結節性硬化症におけるスパイン形成障害の分子病態

公募研究

研究領域シナプス・ニューロサーキットパソロジーの創成
研究課題/領域番号 23110525
研究機関公益財団法人東京都医学総合研究所

研究代表者

山形 要人  公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳発達・神経再生研究分野, プロジェクトリーダー (20263262)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード樹状突起スパイン
研究概要

結節性硬化症ニューロンのスパイン形成を促進する方法を探索し、Rhebと結合するPSD蛋白質(PSDと仮称)がスパイン形成に関わることを見出したので、この分子メカニズムを解析した。
1)RhebとPSDとの結合:ラット脳から抗PSD抗体を用いて免疫沈降し、Rhebが共沈降することを確認した。さらに、Rheb-GTP型、あるいはGDP型のどちらがPSD蛋白質と結合し易いかを調べるため、HEK293細胞にそれぞれのrheb変異体を発現させ、GST-PSDを用いたpull down実験を行った。PSD蛋白質はGDP-Rhebとより強く結合した。
2)Rheb阻害薬による結節性硬化症ニューロンのスパイン形成:結節性硬化症ニューロンでは樹状突起スパイン形成が抑制されており、フィロポディア様の形態を示す。mTOR阻害薬のラパマイシンがスパインの分化成熟を促すかどうかを検討したが、全く無効であった。そこで、Rhebの活性化を直接抑えるfarnesyl transferase inhibitor (FTI)を結節性硬化症ニューロンに添加したところ、PSDノックダウンと同様に、スパイン形成が回復することが分かった。これらの結果から、Rhebの活性化がmTOR以外の伝達系を介してスパイン形成阻害を起こしていることが明らかになった。
3)PSDによるスパイン形成抑制機構:PSD蛋白質が結節性硬化症において、どのようなメカニズムでスパイン形成を抑制するのかを解析した。その結果、PSDがスパイン形成を制御する膜蛋白質と結合するため、別のPDZ蛋白質が結合出来なくなり、スパインが形成されなくなることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Microsomal prostaglandin E synthase-1 aggravates the inflammation and demyelination in a mouse model of multiple sclerosis.2013

    • 著者名/発表者名
      1) Takeuchi C, Matsumoto Y, Kohyama K, Uematsu S, Akira S, Yamagata K and Takemiya T
    • 雑誌名

      Neurochem. Int.

      巻: 62 ページ: 271-80

    • DOI

      10.1016/j.neuint.2012.12.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intercellular Signaling Pathway among Endothelia, Astrocytes and Neurons in Excitatory Neuronal Damage.2013

    • 著者名/発表者名
      Takemiya T, Yamagata K.
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci.

      巻: 14 ページ: 8345-57

    • DOI

      10.3390/ijms14048345

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 過剰興奮後に生じるスパインが減少するメカニズム2012

    • 著者名/発表者名
      安田 新、杉浦弘子、山形要人
    • 雑誌名

      日本薬理学雑誌

      巻: 140 ページ: 141

  • [学会発表] Roles of activity-regulated proteins in dendritic spine abnormalities.2012

    • 著者名/発表者名
      Yamagata K
    • 学会等名
      International synapse research workshop 2012 “Understanding of synapse pathology, from genome mutation to functional defects”
    • 発表場所
      Okazaki
    • 年月日
      20121108-20121109
    • 招待講演
  • [学会発表] 多発性硬化症における膜型プロスタグランジン合成酵素(mPGES-1)の関与2012

    • 著者名/発表者名
      竹宮孝子 竹内千仙 山形要人
    • 学会等名
      第127回日本薬理学会関東部会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121020-20121020
  • [学会発表] カイニン酸処理により誘導されるGPIアンカー型蛋白質Neuritinは海馬神経細胞 の異常な軸索発芽に関与する2012

    • 著者名/発表者名
      島田忠之 吉田知之 山形要人
    • 学会等名
      第46回日本てんかん学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121011-20121012
  • [学会発表] Novel mechanism for dendritic spine abnormality in tuberous sclerosis2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H, Katsurabayashi S, Iwasaki K, Hino O and Yamagata K
    • 学会等名
      The 55th Annual Meeting of the Japanese Society for Neurochemistry
    • 発表場所
      Kobe
    • 年月日
      20120930-20121002
  • [学会発表] 結節性硬化症におけるスパイン形成不全の分子メカニズム2012

    • 著者名/発表者名
      山形要人 杉浦弘子 安田新 桂林秀太郎 高崎浩太郎 岩崎克典 樋野興夫
    • 学会等名
      第63回日本薬理学会北部会
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      20120914-20120914
  • [図書] Encyclopedia of Signaling Molecules2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuda S, Sugiura H and Yamagata K
    • 総ページ数
      2171
    • 出版者
      Springer
  • [産業財産権] スパイン形成異常を抑制するための医薬組成物2012

    • 発明者名
      山形要人 杉浦弘子 安田新
    • 権利者名
      山形要人 杉浦弘子 安田新
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2012-1630780
    • 出願年月日
      2012-09-07

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公開日: 2015-05-28  

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