公募研究
アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、それぞれ異なる蛋白質がミスフォールディング・凝集を生じ、その結果細胞レベル・個体レベルで可逆性の神経機能障害を来たして、神経症状を発症すると考えられている。本研究では、疾患モデルショウジョウバエを用いた遺伝学的スクリーニング、および2光子レーザー顕微鏡を用いたin vivoイメージングにより、シナプス機能異常が関わる神経機能障害のメカニズムを分子から形態レベルまで包括的に解明することを目的として、以下の研究を行った。1)PolyQ病ショウジョウバエを用いた遺伝学的スクリーニングによる神経機能障害関連遺伝子の同定:PolyQ病モデルショウジョウバエにおける神経機能障害に関わるシナプス関連遺伝子に対してdsRNAを発現するトランスジェニックショウジョウバエを作製した。2)In vivoイメージング技術を用いたPolyQ病マウスのシナプス機能異常の解明:2光子レーザー顕微鏡を用いたシナプス動態のin vivo time-lapseイメージングを行った。その結果、発症前の発達期から大脳皮質ニューロンのシナプス後部構造(スパイン)の生成/消滅速度(ターンオーバー)率が異常亢進しており、シナプス成熟が遅延していることが示唆された。以上の結果から、晩発性に発症する神経変性疾患の神経機能障害の根底には、発達期のシナプス成熟障害が寄与する可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neurotherapeutics
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1007/s13311-013-0184-7
Dementia Japan
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http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r4/index.html