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2012 年度 実績報告書

肺の枝分かれ構造形成における細胞集団運動のメカニズムの解明

公募研究

研究領域動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成
研究課題/領域番号 23111514
研究機関九州大学

研究代表者

三浦 岳  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10324617)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
キーワード肺 / 枝分れ形成 / 数理モデル / FGF10 SHH / イメージング / 拡散ダイナミクス
研究実績の概要

哺乳類胎児肺は、枝分れ構造を形成する。この枝分れ構造の形成時に、肺の上皮はシート状の組織構造を保ったまま移動する。細胞の運動に使われる遺伝子群と、細胞シートの組織構造を保つために使われる遺伝子群は共通のため、どのようにして細胞が上皮シートのまま運動するのかは謎なままであった。我々はまず、上皮の先端が間葉となって残りの組織を牽引している可能性を考え、上皮間葉転換のマーカーで発生段階の胎児肺の免疫染色を行った。しかし、枝分れ構造を形成している最中の肺の上皮でも、上皮間葉転換を示す聴講は全く見られなかった。次に我々は、生体内での肺の上皮組織を単離した肺上皮細胞の一部の細胞骨格を可視化することで、細胞の基底膜側で実際には葉状仮足が伸びて動いていることを見いだした。さらに、伸長する肺上皮の周辺部でのゲルの変形を観察することで、伸長する肺上皮の側面が実際には力学的な推進力を生み出していることを明らかにした。
また、この運動を誘導する細胞外のシグナル因子であるFGF10の蛍光蛋白を作製し、その拡散ダイナミクスを Matrigel 内、組織内で計測した。Matrigel 内での拡散はモデルで予測しているのとほぼ同じ早さだったが、生体の間葉組織内ではFGF10はほとんど拡散しないことが明らかになった。生体内の場合、FGF10の分布はタンパク質とmRNAでほとんど変わらないことがわかったため、FGF10そのものの拡散ではなく、一つ上流の因子の濃度勾配によって形態形成が起こることがわかった。
これらの実験および数理解析は、肺の枝分れ形成の基本メカニズムの解明という意味で科学的な意義が大きい。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Modeling lung branching morphogenesis2013

    • 著者名/発表者名
      Miura T
    • 雑誌名

      Biological Theories

      巻: In Press ページ: in press

  • [雑誌論文] Turing vs. Wolpert 反応拡散系によるパターン形成研究の応用の系譜2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 40 ページ: 210-221

  • [学会発表] 生物の形づくりのモデリング:プロトタイピング言語としての Mathematica2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 学会等名
      ウルフラムリサーチシンポジウム
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2012-11-23 – 2012-11-23
    • 招待講演
  • [学会発表] Modeling lung branching morphogenesis2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 学会等名
      Drunken Lake Seminar(国立台湾大学)
    • 発表場所
      台北
    • 年月日
      2012-10-08 – 2012-10-08
    • 招待講演
  • [学会発表] 肺の枝分れ構造の生成メカニズム2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 学会等名
      理論と実験シンポジウム
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2012-10-05 – 2012-10-05
    • 招待講演
  • [学会発表] Diffusion in development: its relationship with spontaneous pattern formation2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 学会等名
      Turing Symposium on Morphogenesis --Mathematical Approaches Sixty Years after Alan Turing
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2012-08-28 – 2012-08-28
    • 招待講演
  • [学会発表] ”Visualizing morphogen diffusion dynamics during lung branching morphogenesis in vitro.2012

    • 著者名/発表者名
      三浦 岳
    • 学会等名
      発生生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2012-05-31 – 2012-05-31

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公開日: 2018-02-02  

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