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2011 年度 実績報告書

基底膜のダイナミクス及びプロテオグリカンにより制御される細胞浸潤の解析

公募研究

研究領域動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成
研究課題/領域番号 23111527
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

伊原 伸治  国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助教 (70373272)

キーワード細胞浸潤 / 基底膜 / プロテオグリカン
研究概要

細胞浸潤は基底膜に生じた穴を介した細胞移動のことであるが、in vivoの解析は非常に困難である。その主たる理由は、基底膜を人工的に合成できないこと、つまり適切な実験系がないためである。線虫アンカー細胞の基底膜を介する浸潤モデルは、近年確立されたin vivo実験モデルであり、遺伝学、細胞生物学を組み合わせて解析できる有用なモデルである。この実験モデルを用いて平成23年度は、下記の研究に取り組んで成果をあげた。
1.基底膜の動態解析
基底膜の主要構成成分のラミニンとTypeIVコラーゲンの可視化に成功した。FRAP(Fluorescence Recovery After Photobleaching)により、基底膜主要構成成分の代謝を観察した結果、TypeIVコラーゲンとラミニンでは異なる代謝速度が観察された。また基底膜動態に異常が観察される多数の変異体を得ることができた。
2.ヘパラン硫酸プロテオグリカンによる細胞浸潤の制御
細胞浸潤に異常を示す新規変異体を同定した。その変異体であるSQV-2はプロテオグリカン合成酵素をコードしており、約70%程度の細胞浸潤異常が観察された。プロテオグリカンは2種類に大別できる(ヘパラン硫酸プロテオグリカンとコンドロイチン)。23年度はヘパラン硫酸プロテオグリカンが結合するコア蛋白質の変異体を観察したが、アンカー細胞の浸潤は正常であり、コア蛋白質は複数の蛋白質が関与して細胞浸潤を制御している可能性を考慮している。現在、コア蛋白質変異体の2重変異体、3重変異体を作成して、細胞浸潤への影響を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに基底膜の可視化に関しては、複数のトランスジェニックラインを得ることができて、成果をあげることができた。細胞浸潤の快晴に関しても、遺伝的な基礎データを得ることができた。

今後の研究の推進方策

これまで基礎的な実験をおこない、様々な変異体を樹立した。今後は、これらの変異体を解析することで基底膜動態を制御している遺伝子を同定する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Basement membrane sliding and targeted adhesion remodels tissue boundaries during uterine-vulval attachment in Caenorhabditis elegans2011

    • 著者名/発表者名
      Ihara, S., et al
    • 雑誌名

      Nature Cell Biology

      巻: 13 ページ: 641-651

    • DOI

      10.1038/ncb2233

    • 査読あり
  • [学会発表] C.elegansのアンカー細胞の浸潤はヘパラン硫酸プロテオグリカンによって制御される2011

    • 著者名/発表者名
      伊原伸治
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2011-09-24
  • [図書] 実験医学2011

    • 著者名/発表者名
      伊原伸治、David R.Sherwood
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      羊土社
  • [備考]

    • URL

      http://www.nig.ac.jp/labs/MultiOrg/Multicellular/Home.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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